BECTA(英国教育工学通信協会) 校内ネットワーク化教育政策立案

将来的に学校にITネットワークを設置−ラウフマン氏


 (英国教育工学通信協会全国学習網指導書制作部長)により、英国日本大使館で以下のプレゼンテーションが行われた。

 連邦教育研究省ICT推進グループのラウフマン氏が以下プレゼンテーション。
 教育政策は連邦憲法に基づいて立案・施行されているが、学校にITネットワークを設置する担当機関は、連邦政府ではなく地方自治体である。インターネットに接続したコンピュータを設置する学校数は、98年の8千校から、今年は3万校に達し、2001年にはすべての学校がインターネットに接続される。将来的にはすべての教室にインターネット・LANに接続したコンピュータを設置する方針である。現在の学校におけるコンピュータ環境は、コンピュータは、コンピュータ室に設置され、サーバー機からISDN回線によってインターネットに接続している。もちろん、すでに教室レベルでLANに接続したコンピュータを置いてある学校もあり、学校によってコンピュータ設置状況に差がある。

 政府は、「Initiative German 21」に基づき、IT教育を促進している。一方、学校へのコンピュータの設置を実施しているのは、地方自治体だけではなく、民間企業も設置の支援・促進を行なっている。現在、マイクロソフト、東芝、IBMなど民間企業90社がそのイニシアティブを取っている。
 教育現場にITが浸透しようとしている今、教員養成にもIT教育を導入しようと、様々な促進策が考えられている。しかしながら、そのための全国的なカリキュラムはまだ存在していない。そして、現段階ではまだ、教員養成プログラムでのIT教育の導入は十分に実現されていない。

 ITを援用した教育コンテンツは、現在開発が進められている。本年4月に教育省が発表した教育コンテンツ開発プログラムでは、ITを利用した教育カリキュラムが作成されている。ITを援用することによって、時間と場所の制約がなく自習をすることが可能となる。カリキュラムの運用機会はさまざまである。大学レベルでは、ネットワークを通じて講義を提供し、学位の取得が可能となる。専門学校では、IT技術者の育成が期待される。また、若年層の教育だけではなく、全世代に向けて、生涯学習での運用も実現することとなる。教育コンテンツ開発は、もはや教育省のみが推進しているのではなく、教育コンテンツのノウハウを有する民間の出版社、IT関連企業、商務省なども関わっている事業である。この分野で、今後一層の市場拡大が予想される。



(2000年10月7日号より)