コンタクトレンズの正しい知識を



 「目の健康とコンタクトレンズ」をテーマにした養護教諭対象のセミナーが、東京都渋谷区立原宿外苑中学校で今月1日に開かれた(アイケア推進委員会主催)。小・中・高等学校の養護教諭約30人が参加。都内で開業している眼科医を講師に招き、スライドを使っての講演と参加者を交えてのディスカッションが行われた。
 今回、講師を務めた細川可奈氏(医療法人社団千翠会細川眼科クリニック)は、視力矯正方法やコンタクトレンズの開始時期、学校現場での使用状況、使い捨てコンタクトレンズについてわかりやすく解説。コンタクトレンズの使用開始時期としては中学生以降が適切であり、特に使い始めの子どもには、度の進行に合わせて度数を調整でき、汚れがたまる前に交換可能な使い捨てタイプが最適であるとのこと。「部活動など臨時的に装用する場合は1日タイプでいいですが、常時装用する場合はケア方法を覚えるという面で2週間タイプがよいでしょう」と細川氏。子どもたちがコンタクトレンズを使用する場合、破損や紛失が多いのも現状。使い捨てタイプなら費用の面での被害も小さくてすむというメリットについても述べた。
 また定期検査の現状やその重要性についても触れた。昨年(社)日本眼科医会が行った調査では、コンタクトレンズを使用している中学生のうち定期的に検査を行っているのは4割弱。約3割の子どもたちが受けていないという状況であることがわかっている。「コンタクトレンズをしているから多少の痛みを伴うのはしょうがないと思ってる子どもたちも多い。コンタクトレンズは我慢しながら使うものではありません。定期的な検査を受けていれば目のトラブルはないはずです」と述べ、学校でもコンタクトレンズの使用者に対して定期検査の大切さを啓蒙してほしいと訴えた。
 講演終了後の質疑応答では、コンタクトレンズが取れなくなった場合の対応や、保健室に常備しておく目薬のこと、ボールがぶつかった場合などコンタクトレンズと目の怪我についてなど、具体的な疑問や悩みが続いた。
 参加した都立上野忍岡高等学校の養護教諭高橋裕子さんは「私自身がコンタクトレンズを使用したことがないので、あまりよく知らない点も多くありました。今回いろいろな話を聞いて、病院との連携の大切さを痛感しました。子どもたちに対しても、こういった専門医からの講演を聞かせる場を設けていきたい」と話してくれた。
 アイケア推進委員会(協力:ジョンソンエンドジョンソン社)では、目の健康とコンタクトレンズの正しい装用につい中・高生を対象とした出張授業(現在、関西地域のみ)や養護教諭対象のセミナーなどを随時実施している。また養護教諭用の小冊子やビデオ、生徒用の小冊子を無料配布している。
 問合せ=03・5563・8564






(2001年12月15日号より)