学習意欲に朝食が深い関係?

中学3年生の男女対象に調査

 食糧庁、JA全中、JA全農による「朝ごはん実行委員会」では、受験シーズンを迎えた中学3年生の男女226人を対象に、先月、朝食の摂取実態と学習意欲、態度との相関関係について調査を行った。回収率は75・7パーセント。その結果、朝食を週に4日以上食べている子と3日以下の子どもを比較したところ、学習意欲や態度、学習時間などに大きな開きが見られることがわかった。
 1週間のうち朝食を食べている頻度を聞いたところ「6〜7日」と答えた子が78・4%と比較的多く、「4〜5日」が7・0%、「2〜3日」が8・8%、「1日」が2・3%で「食べない」が3・5%という結果に。
 普段の勉強について、朝食節食頻度が1週間に4日以上の子どもと3日以下の子どもを比較したところ、4日以上の子どもの方が「宿題をきちんとやる」で24・4ポイント、「自分から勉強する」で9・5ポイント、「教科書以外でも調べる」で9・3ポイント上回っており、自主的に勉強していることがわかった。
 また、学校がある日の勉強時間について「ほとんどしない」が4日以上の子どもが8・9%だったのに対し、3日以下の子どもが24・0%と15・1ポイントも高く、4日以上の子は「3時間程度」がもっとも多かったのに対し、3日以下の子は「2時間程度」が最も多かった。
 午前中の授業態度では、3日以下の子の方が「眠い」「気が散って集中できない」「頭がぼんやりする」「勉強する気が起こらない」などの項目で4日以上の子を大きく上回り、4日以上の子どもの方が「先生の話しがよくわかる」「頭がすっきりしている」などの項目が高かった。
 また「イライラしますか」の問いには、「よくある」が4日以上の子が23・3%であったのに対し、3日以下の子は48・0%。逆に「あまりない」との答えが4日以上の子が16・4%に対し、3日以下の子どもが8・0%。朝食節食頻度が子どものイライラ度に影響を与えていることがわかる。
 さらに塾のある日は2回以上夕飯を摂る子どもが多く、その時間帯は1回目が午後6時台、2回目は午後10時台が最も多く、塾の翌日の朝食はほとんど食べていないと答えた子が4分の1を占めた。2回の夕食と午後10時台という遅い時間の食事が翌日の朝食に悪影響を与えていることがわかった。
 女子栄養大学副学長の香川靖雄氏によると、人間の体は長い歴史の中で昼間活動して夜間休むようにできており、心身の活動が昼間最高になるように作られているとのこと。その意味においても、朝食は人間本来のリズムを保つ上で必要であり、特に受験生は夜型のライフスタイルを朝方に切り替え規則正しく朝からバランスの摂れた食事を摂ることが大切であると話している。

(2001年2月10日号より)