食生活学習教材

          小学校低学年にも配布 

 文部科学省では・食生活充実はもっと小さい頃から・−−と、来年度から小学校低学年向けの「食生活学習教材冊子」を作成し、配付する方針を固めた。同時に指導者用の参考資料も作成する。同省では昨年度に、小学校5年生と中学校1年生を対象に、朝食の重要性やバランスの取れた食事の勧め、ファストフード店の上手な利用法、日本の食文化などをわかりやすく説明した「食生活学習教材」を配付したが、その教材は給食指導時はもちろんのこと、保健体育、家庭科、・総合的な学習の時間・など関連するあらゆる教科で使ってもらうことを想定。「望ましい食生活を身につけてもらう」(同省)ことを目的としていた。しかし発達段階を考慮した結果、新たに低学年向けの教材を作成することに踏み切ったという。
 今回の教材は小さな児童にも食べ物に対する興味・関心を持ってもらうように配慮。同時に保護者の存在が大きいことから、家庭との連係を意識した内容にする方針だ。

厚労省は食生活改善
プログラム作成

 一方、厚生労働省は、子どもから大人までを対象とした「食生活改善プログラム」を来年度から作成することを決めた。
 これまで食を考える上で主流だった「栄養の観点」からではなく、「食べる楽しさ」をわかってもらうことで、心と体の健康につなげるのが目的。1乳幼児2児童3思春期4大人−−といった世代ごとに作成する予定で、栄養士や保険師といった専門家にとどまらず郷土料理などに詳しい主婦や高齢者、一般の人々にも加わってもらい、特に食生活の乱れをなおすきっかけになるような充実した食体験を盛り込む予定だ。
 昨今は核家族や共働き世帯が増加。ダイエット願望が小学生にまで広がるなど家庭の食生活が大きく変化しているのが実情。厚生労働省が平成8年度に行った「児童環境調査」でも「毎日家族そろって一緒に夕食を取る」という児童が3割もいた。また朝食を取らない若者も増加。日本体育・学校保険センターが平成12年度に行った「児童・生徒の食生活等実態調査」でも「ほとんど食べない」という中学生が5・2%、小学生でも4・2%いた。
 厚生労働省では食生活の問題が「キレる」など、若者の問題行動の遠因となっている可能性も指摘。プログラムが完成した段階で地域のモデル事業も実施するなど、問題行動の減少に食の側面から貢献できたら−−としている。

(2002年10月12日号より)


TOPへ健康教育TOP新聞購読お申し込み