食生活の実態・間食に関する意識調査



 「間食・おやつ」は子どもたちの食生活と切り離せない大切な食事の一部であり、おやつに関する正しい知識をいかに指導していくかということも食の指導を行う上で重要な課題になってきている。本紙では、食の指導に携わる学校栄養職員500人を対象に「食生活指導の実態、間食に関する意識調査」を実施した。回答数191人(回答率38・2%)。

総合で約半数が食の指導実践
 「子どもたちは自分の食生活に関心があると思いますか?」との問いに対して、「どちらともいえない」が37・7%、「低い」が28・8%だった。中には「とても感心を持っている子どもとそうでない子どもとの差が大きく、家庭の影響もある」といった意見が寄せられている。
 「食」をテーマにした授業については、回答者の86・4%が行っていると回答。ほとんどの学校で何らかの形で食に対する指導が行われているようだ。また、「総合的な学習の時間」で「食」をテーマに取り上げているかどうかについては、50・3%が「はい」と答えている。
 これまでに「おやつ」や「間食」をテーマに授業を行ったことのあるかという問いに「はい」と回答したのは、55・5%。「はい」と回答した人に、「どのような授業を行ったか」について聞いたところ、もっとも多かったのが「健康によいおやつ」71・7%、次いで「どんなお菓子を食べているか(実態調査)」が51・9%、「清涼飲料水の成分調べ」が40・6%だった。他に、「菓子類の成分調べ」が34・0%、「おやつ作り」が22・6%となっている。

 おやつをテーマにした学習で、「市販されている菓子類を授業で提示、使用しましたか?」との問には8割以上が「はい」と回答。授業では実際に日頃子どもたちが食べているお菓子を提示した授業が行われているようだ。
 子どもたちがよく食べているもので目に付くものを答えてもらった。やはり最も多かったのは「スナック菓子」で90・6%。次いで「清涼飲料水」が79・1%と他の食品よりもはるかに高い数値となった。「アイスクリーム」「チョコレート」「ファーストフード」「インスタントラーメン」などは10〜20%前後となっている。
 では、学校栄養職員の間食に対するイメージはどうだろうか。「間食に対するイメージ」を、9段階で表してもらった。1を「とても悪い」3「悪い」5「どちらともいえない」7「よい」9「とてもよい」と数値が上がるほど、良いイメージを表している。
 48・2%の人が5の「どちらともいえない」と回答しているものの、7の「良い」イメージを持っているが19・4%、6が13・1%、9の「とても良い」が5・2%で、6〜9を比較的良いイメージととらえると、4割弱が間食を肯定している。

 間食として勧めたい食べ物としては、くだもの、サツマイモ、牛乳、パン、手作りおやつ、ヨーグルト、おにぎり、ゆでとうもろこし、小魚アーモンドなどの食品があがっている。また、栄養補給になるもの、硬くかみごたえのあるもの、甘くないもの、油脂分の多くないもの、塩分を控えたものなどを条件に入れている人も多かった。

 子どもに人気の個々の食品についてのイメージを同様の方法で聞いたところ、「チョコレート」については、約半数が「どちらともいえない」と回答しているものの、4が12・0%、3の「悪い」が14・7%、6が11・0%、7の「良い」が6・3%で、極端に「良い」イメージはないものの「悪い」と判断するほどの意識はないようだ。
 これに対し、「スナック菓子」へのイメージは、3の「悪い」が49・7%ともっとも多く、次いで5の「どちらともいえない」が19・9%だった。スナック菓子に対するイメージはあまりよくないようだ。
 では、スナック菓子のどんな面に対して、学校栄養職員は不安を持っているのだろうか。スナック菓子について尋ねた項目でもっとも回答が集中したのはやはり「油分が多い」で88・0%、次いで「塩分が多い」79・6%、「味が濃いので子どもの味覚が心配」が73・3%、「きちんと管理して食べさせたい」が70・2%となっている。このほか「食べることが楽しい食べ物」34・0%、「あまり体によくない」37・2%、「よく言われるほど健康に悪くはない」が4・2%などとなっていた。
 さらに「スナック菓子の摂取などについて指導をしたことがありますか?」という問いには、68・6%が「はい」と答えている。「野菜素材入りのスナック菓子があることを知っていますか?」との問いには、全体の83%以上が知っていると回答。中でも「よく知っている」と答えた人は22・0%にのぼった。

 子どもたちの間食で、摂取する機会の多いスナック菓子や、間食全般について知りたいこと、意見の欄には多くの記入があった。「ノンフライの表示のものは他のものに比べてどのような違いがあるのか」、「低カロリー、無糖表示のものは本当なのか」、「成分表のおやつ版(業者名・商品名)があればいい」、「スナック菓子の油分が一目でわかるようなグラフがほしい」、「野菜入りのスナックなどをもっと知りたい」などで、子どもに身近なお菓子だけに、指導する際に参考になる資料などの提供を求める声が多かったようだ。

「食べてはダメ」でなくより確かな情報を
 今回の調査では、学校栄養職員の大半がスナック菓子について否定的なイメージをもっていることが明らかとなった。しかし、一概にスナック菓子といっても野菜入りなど体の健康を考えた新素材なども数多く開発されている。ただ「食べてはいけない」と指導するのではなく、より確かな情報を子どもたちに伝え、自ら選択できる力をつけさせなければならないだろう。今回の結果を踏まえ、今後本紙ではスナック菓子を中心におやつや間食のあり方についてより確かな最新情報を伝えていきたい。

(2002年11月9日号より)


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