教育家庭新聞・健康号
体に良い納豆を
腸内の環境を改善
  ■優れた栄養素の宝庫

 従来、日本の伝統食は醗酵食品が多く、食物繊維も豊富だったことから、日本人は腸の健康度が高い国民だった。それが食物繊維の摂取量が減り、肉類の摂取量が増えたことで、腸内細菌の善玉菌が減り、便通も悪くなっている。そんな腸内の細菌のバランスを整える微生物がプロバイオティクス。
 プロバイオティクスと言えば、乳酸菌や酪酸菌などが思い浮かぶが、それと並び納豆菌も、腸内環境の改善に有効で、納豆は優れたプロバイオティクス食品として知られている。納豆を食べることで、納豆菌が腸内にほとんど姿を変えることなく届けられ、腸内は善玉菌が増えやすく、悪玉菌が減りやすい状態となり、より良い腸内環境が作り出される。
 また、納豆にはプロバイオティクスのサポート役であるプレバイオティクスとしての働きもある。これは納豆の成分である食物繊維と原材料の大豆に含まれるオリゴ糖によるもの。食物繊維は腸内細菌の善玉菌を増やし、腸壁を刺激して排世を促進する作用があり、オリゴ糖は腸内細菌の代表格であるビフィズス菌の増殖を促進する。
 さらに、1948年のビタミンB12の発見以来、55年ぶりに新しいビタミン「ピロロキノリンキノン(PQQ)」が発見されたが、このPQQは納豆に含まれることが確認されている。マウスを使った実験では、PQQが不足すると毛並みが悪くなる、出産数が減るなどの影響が見られ、人間の健康維持に影響があるビタミンだと思われる。PQQやナットキナーゼを含んだ納豆は栄養素の宝庫となっている。

  ■試した調理法は

 全国納豆協同組合連合会は、納豆に関する消費者調査をインターネットで実施した(サンプル数2011件)。
 納豆の調理法のうち「家庭で試したことのある調理法はありますか」という設問で複数回答で求めたところ、納豆巻きが49.3%と最も多く、次いで納豆汁が33.0%。アイデアを加えて調理する傾向は関東以北で多く、昔から納豆を食べてきた地方は、食べ方も工夫する傾向にある。
 「今後試してみたいと思われる調理法」では、納豆チャーハンの17.9%がトップで、次いでマグロ納豆が17.5%となった。


【2003年6月14日号】