教育家庭新聞・健康号
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PTAのあり方を発信
日本PTA全国研究大会

 現在、子ども達を取り巻く様々な問題に対して、大人として何ができ、どのように取り組んでいくべきかを探るべく「第53回 日本PTA全国研究大会」が、(社)日本PTA全国協議会ならびに、愛知県小中学校PTA連絡協議会の主催により、8月26日・27日の2日間、愛知県内の各会場で開催された。大会スローガンは「育もう子どもたちの夢・愛・知」。全国からPTA会員や学校教育・社会教育関係者などの参加者が集まった。

 メインテーマは、「自ら考え たくましく生きる子どもたちを育むPTA活動」、「自然を愛し 人を愛する豊かな心を育む PTA活動」、「心のよりどころとなる家庭づくりを支援する PTA活動」、「地域の人々とともに 子どもたちの夢を育む PTA活動」、「安全・安心な社会づくりを子どもたちとともに進める PTA活動」、「さまざまな習慣・文化を尊重し 人の輪を広げる PTA活動」。

 大会第1日目の26日は、愛知県内10会場で分科会を開催。各分科会の会場とテーマは以下の通りとなっている。第1分科会(一宮市民会館)=組織・運営、第2分科会(津島市文化会館)=家庭教育、第3分科会(常滑市民文化会館)=学校教育、第4分科会(安城市民会館)=情報活動、第5分科会(瀬戸市文化センター)=環境・福祉、第6分科会(豊橋市公会堂)=人権教育、第7分科会(豊田市コンサートホール)=国際理解、第8分科会(蒲郡市民会館)=健康・安全、特別第1分科会(愛知県勤労会館)=解決!学力低下問題、特別第2分科会(名古屋国際会議場)=義務教育の改革について。

 そして、大会2日目となる27日は、名古屋市総合体育館(レインボーホール)で全大会を開催。ここで記念講演を行うのは、「関白宣言」でも知られる歌手のさだまさし氏。最近では「精霊流し」「解夏(げげ)」といった小説も映画化されている。演題は「夢いっぱいの笑顔のために」。


家庭教育の充実目指す
 社団法人日本PTA全国協議会会長 赤田英博さん

社団法人日本PTA全国協議会会長 赤田英博さん 現在、子どもを取り巻く社会的な環境は大きく変化し、そこには様々な問題が発生してきている。愛知で開催される第53回日本PTA全国研究大会でも、多くのテーマが討議されるが、(社)日本PTA全国協議会(以下、日P)では、今後どのような課題に力を入れて取り組んでいくのか、会長である赤田英博氏に話しをうかがった。


 「教育の原点は家庭にある」。そうした考えのもとに、日Pでは家庭教育の重要性をアピールしてきたが、今後も引き続き、家庭教育の見直しを図りながら、親子の関係の強化を呼びかけていくと赤田会長は語る。

 「親と子のコミュニケーションが希薄になっているのは、家庭の中で『個』というものが確立されすぎているからではないでしょうか。親が子どものことを気に留めるという当たり前のことが出来なくなっているような気がします。お金さえかければ、子どもが育つという風潮が問題なわけで、目をかけ、手をかけ、子どもを育てることが大事だと思っています」。

 そんな家族のつながりを感じさせてくれるものとして、家族で食卓を囲む風景がある。日Pでは「楽しい子育て全国キャンペーン」の一環として、家族の絆を表現した三行詩と写真の募集を行っているが、その中のテーマの一つが「楽しい食事」となっている。

 「知育・徳育・体育とありますが、その基礎となっているのは食育であると思います。今は子どもと一緒に食事をしない家庭も増えていますが、仕事の関係で夕食までに帰るのが無理ならば、朝食だけは一緒にするなど、工夫次第で家族の時間を作ることは可能です」。

ルール作って
 メディア利用

 そして、日Pが継続的に取り組んでいる活動としては、テレビやインターネット等に関する調査がある。アンケート調査では、子どもに見せたくない番組や出会い系サイトの利用などについて、児童・生徒や保護者に聞いているが、その結果をどう受け止めていくかが重要なのだと言う。

 「子どもに見せたくない番組といっても、それを子どもに見せているのは親なのです。しっかりと結果を受け止めてもらうことで、この調査が生かされてくるのです」。

 子どもがインターネットを使う際の、しっかりとしたルールづくりを行うことが大事なのだと赤田会長は語る。子どもはインターネットや電子メールを通じて受け取った情報を、全て正しいものだと思ってしまうが、それが正しいかどうか判断する能力を身に付けさせる必要があると言う。

 また調査では今年度から、ゲームに関しても聞くことになった。子どもにとって身近な存在であるゲームが、どれだけ影響を与えているかを調べていく。

格差生まない
 教育の予算を

 さらに、日Pでは国が進める三位一体の教育改革の中で、義務教育の国庫負担制度の廃止を改めるように求めており、全国からの現状維持の声を集めた要望書を小泉首相に提出した。

 「最大の問題は、国庫負担制度を廃止することで、地方による教育の格差が生じることにあります。先生の雇用など教育にかける予算が、制度として確保されていれば、それは国でも自治体であっても構わないのです。しかし整っていない段階で、地方交付税をあてにするのでは、教育のバランスが崩れる恐れがあります」。

 もちろん地方分権は大事なことだと語る赤田会長。ただし、その自由競争には自己責任が伴うということを忘れてはならないとしている。もし、競争に付いていけなかった場合、その地方の教育が衰退しかねないという危機感を持ってくださいと注意を促す。

協力関係築く
 先生とPTA

 今は、子どものしつけまで学校に任せてしまう傾向にあるが、子どもの教育の最終的な責任は親にあるというのが、赤田会長の考え。学校で出来ることと、家庭で出来ることを、お互いに認め合って、システムづくりを進めていくことが必要だとしている。

 「先生とPTAがお互いに意見を言い合える信頼関係を築いていくことが理想なのではないでしょうか。そうした協力関係を築くために、自分達が出来ることを、PTAの側から提案していければと考えています」。

〈プロフィール〉
 赤田英博(あかだ・ひでひろ)=(社)日本PTA全国協議会第30代会長。
 1954年秋田県生まれ。
 PTAとの関わりは地元の小学校でPTA会長を務めた94年から。
 99年より現在まで秋田県PTA連合会会長。

◇ ◇

愛知から親の意識改革
 第53回日本PTA全国研究大会 実行委員長 横井敏夫さん

第53回日本PTA全国研究大会 実行委員長 横井敏夫さん 開催を間近に控えた「日本PTA全国研究大会 愛知大会」だが、実りのある大会とするために、これまで実行委員会は、着実に準備を進めてきた。そこで実行委員長である横井敏夫氏に、その見どころなどについて話をうかがった。


 平成15年度の県Pの会長に選ばれたことから、実行委員長を任されることになった横井氏だが、この全国大会を通じて、愛知のPTAは、これだけのことができるということを感じ取ってもらいたいと言う。

 「愛知のPTAが投じた一石から波紋が広がり、自分の県でも何か出来るのではと、全国のPTAの活動が活性化されれば、親の世代の意識変革が進むのではないでしょうか。それこそが、全国大会を開く最大の意義ではないかと思います」。

 大会のキャッチフレーズは『育もう子どもたちの 夢・愛・知』。その言葉に示されるように、子ども達のことを考えていくのが、私達の使命ではないかと語る。活動の原動力となるのは、子ども達の笑顔としながら、愛知県に限らず、この国の未来を支えるのは、子ども達だと力説する。

 「こうした大きな大会を開くことが、その地区のPTAにとって、大きな変容を成す敷石になるのではないでしょうか」。

各分科会では
 特色を出して

 これまで大会のPRを、積極的に行ってきたことで、分科会・全大会ともに、順調に多くの人が集まることが予測される。

 「2日目の全大会では、さだまさしさんが講演を行いますが、親の役割が大切だとする、さださんが『夢いっぱいの笑顔のために』という演題で、どんな話をされるか、主催する側としても、今から楽しみにしています」。

 分科会も、それぞれのテーマに沿って、興味深い発表が行われるが、第8分科会では、難病と闘い続けた少女の実話を映画化した「1リットルの涙」が上映される。

 「上映後のパネルディスカッションでコーディネーターを務める山本\子さんは、物語の主人公である亜也さんの主治医であった人です。この物語の舞台が愛知だったことから、今回の上映となりました」。

 また、「情報活動」をテーマにした、安城市の第4分科会では、児童殺傷という傷ましい事件があった大阪教育大学附属池田小学校で、生徒の安全のために活用されている携帯電話を使った「安心メール」のシステムが紹介されるという。

子どもが夢を
 持てる親の姿

 「今の子ども達は、明確な夢や目標も持つことができず、悩んでいる世代ではないでしょうか」。そう語る横井氏は、元気の無い親の姿が、そうした気持ちを子どもに植え付けてしまっているのではないかと考える。

 「実行委員会は大変ではないですか」と、よく聞かれるそうだが、決して大変ではなく、イベントとして楽しむようにしているとのこと。仕事でもPTA活動でも、楽しんで取り組む親の姿を、子どもに見せてあげることが大事だと言う。「この大会を通じて、お父さんやお母さんは、こんなこともできるんだというところを子ども達に感じてもらいたいと思っています」。



【2005年8月20日号】


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