教育家庭新聞・健康号
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本紙調査
食テーマの授業 「実施した」が77%
2005 食生活指導の実態、間食に関する意識調査
 スナック菓子や清涼飲料水などは、子ども達が日常の間食としてよく食べているが、それらに対する学校現場での意識や指導の実態等を把握する目的で、本紙は昨年に引き続いて「食生活指導の実態、間食に関する意識調査」を実施、その結果をまとめた。(調査期間・2005年7〜8月)

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「間食気になる」増加
 調査は全国の学校栄養職員・栄養教諭、食育担当教師、学校給食関係者等2200人を対象に、アンケート形式で行った。回答件数は386件(昨年590件)。

 まず、食生活指導の調査で設けた設問は「子ども達自身の食生活に対する関心」、「食をテーマにした授業の実施状況」、「子どもの食生活での気になる点」、間食に関しては「授業の実施状況」、「間食の種類」、「間食として勧めたくない食べ物、勧めたい食べ物」、「スナック菓子への意識」など。

 主な調査結果は次の通り(カッコ内の数字は04年・前回実施結果)。「食をテーマに授業を行ったことがあるか」の問いには、「はい」77%(80%)、「いいえ」23%(20%)。「子ども自身の食生活に対する関心」で「とても高い」と感じている回答者の割合は1%(0%)、「高い」20%(20%)、「どちらともいえない」49%(53%)、「低い」29%(26%)、「とても低い」1%(1%)。「子どもの食生活で最も気になる点」の問いには、「朝食の欠食」59%(62%)、「間食」23%(14%)の順で回答があり、間食を気がかりとしている様子が伺えた。だが、「おやつ・間食をテーマに授業を行ったことがあるか」という問いに対しては、「はい」51%(53%)、「いいえ」49%(47%)と、どちらも昨年よりややポイントが下がっている。

 おやつ・間食に関してどのような授業をしているかといえば、「健康に良いおやつ」136件、「どんなお菓子を食べているか(実態調査)」98件、「清涼飲料水の成分調べ」95件、「菓子類の成分調べ」57件の順に多く、その他としては、「減塩教育」「砂糖について」「着色料など食品添加物」などの回答があった。


関心高いスナック菓子
 「子ども達が間食として食べているものの中でよく目につくものは何か」の回答では、「スナック菓子」351件、「清涼飲料水」298件、「アイスクリーム」134件の順に多く、「ファストフード」の占める割合が半数になった他は、前年と比べて差がなかった。また、「間食として勧めたくない食べ物は何か」の回答傾向にも大差はなく、「スナック菓子」259件、「清涼飲料水」248件、「インスタントラーメン」227件で、以下「ファストフード」「菓子パン」「チョコレート」「アイスクリーム」と続き、勧めたい食べ物としては、「果物」245件、「牛乳」69件、「手作りおやつ」55件の順という結果だった。

図1 スナック菓子についてみると、昨年も今回もその意識・関心は高い〈図1〉。

自由記述では「食べ過ぎになりがち」、「体によさそうな表示がされているため誤解しやすい」など否定的な意見があった一方で、「適時・適量など心がけることが大切」というものもあり、捉え方は多様だった。

 「スナック菓子の摂取等について指導したことがありますか」という問いに対しては、〈図2〉にある通りで、今回は前回に比べて17ポイントも低くなっていた。今年7月から食育基本法が施行されたことなどから、この一年間で、より具体的な指導でなければ食育ではないという厳しい見方になったようだ。図2

 間食・スナック菓子に対する自由記述では、「子ども達にとっては間食、スナック菓子は楽しみの一つだと思う。食べてはだめだというのではなく、どのくらいの量なら摂取していいのか指導することが大切」という意見も少なくはなかった。

【2004年9月10日号】