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小学時代の食生活と深い関係

内閣府「食育の現状と意識に関する調査」

 内閣府食育推進室では、平成21年11月から12月にかけて、全国20歳以上の5000人を対象に「食育の現状と意識に関する調査」を実施した(有効回収2936人)。同調査は、平成17年以降、毎年実施されてきたが、これにより食育の現状について、概ね把握することができたとしている。

より良い食生活の在り方を検討

言葉・意味の理解浸透“43%”に

 近年、社会経済的要因や環境要因が食生活を含む個人のライフスタイルに与える影響が少なくない状況にあることを踏まえ、今回の調査から、従来の実態把握に加え、様々な要因が食生活に及ぼす影響についても分析することにより、より良い食生活の在り方について検討する機会とする。
「食育」という言葉を知っていると答えた人は75・8%で、前回の平成21年3月調査と比べて1・3ポイント上昇。大きな変化は見られないが、「言葉も意味も知っていた」と答えた人の割合が41・0%から43・4%に上昇したのに対し、「言葉は知っていたが意味は知らなかった」と答えた人は33・6%から32・4%に低下している。「言葉も意味も知らなかった」という人は24・2%で、前回より1・3ポイント減少している。

食育への関心72% 目標値90%と隔たり

  「食育」への関心度については、関心があるという人は71・7%(「関心がある」35・1%+「どちらかといえば関心がある」36・6%)で、前回より0・5ポイント減少。やはり大きな変化は見られないが、食育推進室が目標値として掲げる90%以上までには大きな隔たりがある。

  小学生の頃の食生活と「食育」への関心度の関係については、「1日三食いずれも決まった時間に食事をとっていた」と答えた人で「食育」に関心があるという人は73・7%、「家族そろって食事をとっていた」では73・6%、「いただきます、ごちそうさまのあいさつをしていた」では76・4%。いずれも平均の71・7%を上回り、食に対する習慣が身についていた人ほど、食育への関心が高い傾向にある。

家族との食事大切な人 人生を肯定的に捉える

  「家族との食事」については、朝食を「ほとんど毎日」家族と一緒に食べる人は50・7%、夕食を「ほとんど毎日」家族と一緒に食べる人は56・8%で、約半数の人が「ほとんど毎日」家族と一緒に食事をとっている。

 「家族と一緒に食事をすることは重要」と考える人は94・3%、「家族と一緒に食事をすることは楽しい」と考える人は91・0%となっている。「日常生じる困難や問題の解決策を見つけることができる」など、人生を肯定的にとらえることができる人は68・5%だが、「家族と一緒に食事をすることは楽しい」と答えた人では74・3%、「家族と一緒に食事をすることは重要である」では73・8%と高くなっており、家族と一緒の食事を大切にする人ほど、人生に対して肯定的なとらえ方をする傾向にある。



【2010年5月15日号】