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【学校給食特集】
家庭・地域と連携し食の知識を定着
食育の実践ー学年ごとにテーマを設定

「健康教育月間」上田市立真田中学校

上田市立真田中学校
1年生は卵料理を1人1品作る

 10月を「健康教育月間」として学習を続けてきた長野県上田市立真田中学校(山岸周一校長)では、10月29日、学習の発表の場となる「健康フォーラム」を開催。学年ごとのテーマに対し、個人や班で討議した結果披露。校内には、食に関して生徒たちが作成したポスターなどの掲示物が貼られ、日々生徒たちの目に触れる場所に食の知識があふれていた。

■1年生
家族が喜ぶ朝食

 生徒それぞれが、栄養バランスや彩りを考えながら、日本型の食事と乳製品を取り入れ、家族の朝食を考えることが課題。その際、地元真田産の食材と旬の食材を使うという条件も入ってくる。
 この日は、一人ひとりが班内で発表し感想を伝え合った後、班代表がクラスで発表。「家族が好きなりんごを入れたが、旬なものはこれだけなので、今度は他の食材も入れたい」「いつもおいしい朝食を作ってくれているので、おいしいものを作りたい」など、家族への愛情があふれていた。
 発表に加えて、卵を一人2個使い、朝食時の卵料理を調理し、家庭での実践につなげた。

■2年生
栄養のバランスや旬の食材の使用に気を配り、日本型の食事の給食献立を考えよう

 この日は、「いつもげんきに」(「い」…芋・豆・海藻、いろいろな食品を組み合わせてバランスよく、など)をポイントに、班で考えた献立をクラスで発表した。
 各班で、風邪予防、骨を強くする、筋肉をつけるなどのテーマを決め、栄養教諭などから話を聞いたり、準備を重ねた。1組担任の金井茂雄教諭は、「こうやって献立を考えることで、給食がいかに考えられていて、すごいものなのかがわかったようです」と話す。
 この献立は、今年度中に給食になるそうで、生徒たちの楽しみの一つ。

 

上田市立真田中学校
6講座にわかれて発表した3年生

■3年生
卒業後の生活を見据えて

  学年で設定した6つの講座に、一人ひとりの希望で分かれて学習を進めてきた。
「コンビニやスーパーでの食品選び」のグループは、高校での昼食を想定して、調査を実施。コンビニエンスストアで、生徒Aが買った昼食は850円で1664キロカロリー、Bは215円だが栄養群に不足があるなど、課題が様々あがる。
そこで、栄養群の不足がない購入の組み合わせを提案。実際に購入して食べてみることで、「保存料や食品添加物が多い」「味が濃く満足感は得られる」「好きなものだけではなく栄養を考える必要がある」ことなどを学んだという。
午後は、全校生徒が集まり、保健委員会と給食委員会合同の発表と、川崎医療福祉大学の小野寺昇教授による講演を実施。小野寺教授は「皆さんの食を通した健康の意識は高く、知識も質が高い。きっと充実した将来になるでしょう」と語った。

【真田中の食育】
朝食は家庭との協力で

「秋を味わう献立」

 この日は、1年生の保護者を中心に、学校給食試食会も実施した。1年生は7月に、中学生に必要な栄養バランスの朝食について学習し、健康教育月間では、さらにその内容を深めて「家族が喜ぶ朝食」を考えた。保護者には、試食会前に金井かずよ栄養教諭が、朝食の役割についてレクチャー。

  同校の朝食欠食率は、「時々食べない」を含めて3・9%。金井教諭は「朝は忙しいですが、何とか生徒の午前中の活動が有意義に過ごせるように家庭でも諦めずにがんばって欲しいです」と願っている。
今年度、同校に赴任してきた小林良高教頭は、初めて見る健康フォーラムの様子に「全校で足並みを揃えて行うことは大事。11月1日は生徒がお弁当を作る日、どんなものを作るのか非常に楽しみです」と期待を寄せた。


【2010年11月13日号】