新たな学びを追及

仙台・東京・大阪で修学旅行フェア<沖縄県>

沖縄における修学旅行の新たな情報と支援策、また、受け入れ施設との直接の情報交換で新しい視点が得られる「沖縄修学旅行フェア2014」が、「引き継がれる美ら心(ちゅらぐくる)新沖縄体験」をテーマに昨年12月に仙台、東京、大阪で開催された(主催=沖縄県、一財・沖縄観光コンベンションビューロー)。

3日の東京会場では、東京都立橘高等学校の事例発表と航空会社による修学旅行の受け入れに関する紹介、また沖縄観光コンベンションビューロー(以下、OCVB)から支援制度等について発表があった。

修学旅行フェア
31社のブースに多くの教育関係者
が集まった。
沖縄の産業を学習都立橘高校の修旅

広く産業を学ぶ生徒を育てる橘高校は、その学校特性から社会的・職業的自立に向け「インターンシップ・橘版デュアル・システム」「国際理解教育」「人権教育・言語教育」の3本柱でキャリア教育を推進している。
修学旅行ではその3本柱を基盤に、キーコンセプトを「就業体験」「国際理解教育」「人権教育・言語教育」とし、今年度は2年生が11月18日から21日まで、本島で修学旅行を実施した。

実施にあたっては9月から事前指導を開始、10月にはOCVBに沖縄県の産業構造と就労環境に関する講演を依頼し、その後文化祭で沖縄をプロモーション。

橘高校の浅野恵治2学年主任
橘高校の浅野恵治2学年
主任

修学旅行の行程で好評を博したのが、2日目と3日目だ。A班が産業学習、B班が観光と2班に分かれ、入れ替えて活動。産業学習は就業体験で、御菓子御殿やパイナップル農場、ホテルなど16社に受け入れを依頼した。
パイナップル農場では通常、修学旅行生はパイナップル狩りを楽しむのだが、同校は修学旅行生が狩った後のメンテナンスや苗付けなど裏方を体験。各施設がどのように観光客にその良さを伝えるのかといった目線から、生徒は学びを得た。

DVDで搭乗をシミュレーション

航空会社からは、ANA販売事業本部販売計画室修学旅行チームの中井達也マネージャーが、航空機の旅を紹介。
初めて航空機を利用する生徒もいることから、同社は指導用のDVDと小冊子を用意。

DVDは昨年11月に完成したばかりで、旅行会社を通じて学校に事前貸出しを行っている。荷物のルールや搭乗案内書の見方、保安検査場や搭乗・機内・着陸後の注意点などをドラマ仕立てで紹介。空の旅も学びの場として、役立ててほしいと考える。

支援制度を有効活用

OCVBでは学びの支援の一つとして、歴史や文化を教える修学旅行アドバイザーの派遣事業を実施しており、昨年11月26日現在で年間210校が受講。

修学旅行アドバイザーの一人高山厚子氏は、元都内の小学校校長。事前学習として学校を訪問し、教員経験を生かして地理や歴史などわかりやすく沖縄をひも解いている。

「一言も喋らなかった特別支援学校の生徒が、修学旅行後に帰ったらよく話すようになった」と、沖縄が子供たちの心を大きく変化させる場所でもあることを語った。

また、OCVBは新メニュー体験の支援制度も行っており、ダンス交流やバスガイドによる三線体験など、新たなメニューを取り入れる学校の負担軽減に役立っている。次年度もこれらの事業は、支援を続けたいと思案中だという。

【2015年2月16日号】

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