PTA特集
子供の学びと生活を守るため
教員数と水準の確保を

寺本充会長に聞く <日本PTA全国協議会>

寺本充PTA全国協議会会長

8月21日・22日「第63回日本PTA全国研究大会」(札幌市開催)を控えた寺本充会長に、(公社)日本PTA全国協議会(=日P)が取り組むべき課題などについて考えを聞いた。(以下・談)

 ■ネットの利用とルールづくり

 子供たちの豊かな学びと健全な生活を送れるようにすることが日Pの役割です。携帯電話やスマートフォン(=スマホ)の普及が子供を取り巻く課題として取り上げられる現在、ネット利用と子供について見守る必要があります。

 日Pが毎年実施している「子どもとメディアに関する意識調査」では、ネット利用の時間や内容など継続して調査し、子供と保護者の関係も改善したいと考えます。

 スマホの利用は、夜9時以降を禁じる自治体も出てきましたが、大事なのは家庭でのルールづくりではないでしょうか。子供と保護者がしっかりと話し合い、決めたルールを守ることで、何が問題なのかを理解し、子供の成長にもつながります。

 ■いじめ対策の事例を収集

 いじめについて、心を痛める出来事が後を絶ちません。日P総務委員会では、いじめを未然に防止するための対策や、いじめが発生した場合の解決策などを集めてハンドブック作成に取り組んでいます。子供のいじめを無くすため、全国のPTAに発信することに努めて参ります。

 ■教員数の合理化には反対

 経済財政諮問会議などで、子供の人口減少による教職員数削減の動きがあるそうです。英語の教科化など様々な対応が教員に求められる中、教員数を減らせば高い教育水準が保てなくなります。

 そこで日Pは、教職員の合理化計画に反対する緊急要望書(左下)を提出しました。すでに教員の多忙が問題で、さらに教員の数が減ると、子供と向き合う時間を確保するのが困難となり教育の質の低下を招きかねません。日本の未来を担う子供のためにも適切な数の教員配置と教育の充実を求めていきます。

 またデジタル教科書の導入や小学校英語の教科化など、教育改革にも保護者は理解を深めてほしいと思います。

 ■被災地の交流事業を支援

 東日本大震災の直後から、日Pは「心のきずな61キャンペーン」を立ち上げ、保護者が行方不明となった児童に対して、募金による就学助成金の支給を行ってきました。昨年度からは「心のきずな61 教育支援基金」として、被災地の教育環境を整えるための募金活動に改めました。被災地の子供の心のケアには、他地域の子供との交流や体験学習が有効だと考え、そのような事業を支援します。

 今後も子供たちの教育環境を守るために、様々な関係団体と連携していきます。自転車安全利用やネットなど、日Pだけでなく幼稚園や高校のPTA団体、文科省やマスメディアを巻き込んで、より強固な体制として子供の成長を見守っていく必要があります。

 ■大会では中学生と意見交換

 札幌の全国大会では新たな試みとして、特別第1分科会に地元中学生5名が意見発表者として登壇し、どのような悩み、夢を持っているか、自分の言葉で語ってもらいます。パネリストである保護者ら大人世代と中学生が意見を交わし、それぞれの考えについて認識を深めることは意義あることだと思います。次回以降の大会でも、同様に進めていく予定です。

 子供は日々、成長していきますが、保護者も成長しなければいけません。そのための経験や学びを得られるのがPTA活動です。日Pとしても取り組むべき課題は山積していますが、子供や学校教育を守るため、全国の皆様の知恵と力を結集して頑張ります。

 【第63回札幌大会】

 第63回日本PTA全国研究大会は「ひろがれ 子の未来!つながれ親力」を大会スローガンに札幌市内の各会場で開催される。21日は10会場に分かれての分科会、22日は全体会として記念講演などが行われる。メインテーマは(1)たくましく おもいやりのある子どもを育むPTA活動、(2)いのちの重さを語りあえるPTA活動、(3)大人がともに学びあうPTA活動、(4)家庭・学校・地域が手をつなぐPTA活動▼詳細=pta-sapporo-taikai.com

 

【2015年8月17日号】

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