給食費値上げの心配も

昨年の「米」に続く第2弾 今年8月までに具体化

農水省


 学校給食用牛乳の補助金見直しへ−−農水省ではさきごろ、小中学校などの児童・生徒約1200万人を対象とした学校給食用牛乳の補助金制度の見直しに着手すると発表した。「補助金が学校給食用に依存する零細な乳業向上を温存し生産合理化の足かせとなっている」(同省)ためで、今年8月に出す「平成12年度予算概算要求」までに制度変更の具体的な内容を決める。これによって給食費の値上げにつながる可能性も出てきた。

 同省では昨年度から学校給食用の米の値引き措置を段階的に廃止することを進めているが、今回の牛乳についても年々削減される見通し。学校給食用牛乳の補助金は、年間91日以上牛乳を出している小・中・盲・ろう・看護学校・夜間高校を対象に平成10年度予算で約44億8200万円。平均すると1校当たり年間約28万円になる。実際には農畜産業振興事業団や都道府県を通じて供給乳牛メーカーに支払われている。

 今回の措置について同省では11校当たりの金額が少なく補助の対象がわかりにくい2中小の乳業メーカーの給食用牛乳への依存を強め、業界の合理化を遅らせている−−などの理由をあげている。ただ段階的に削減はするものの「酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律」の中で、学校給食への牛乳提供を促進することが定められていることもあって、現段階で廃止は考えていないという。

(教育家庭新聞99年3月13日号)