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日本初「シネマリテラシー」で感性育む
時代ニーズに応えられる即戦力の育成を

文化学院校長 戸田一雄

キャンパス、カリキュラムをリニューアル

戸田一雄  さん

 1921年に創立、87年の歴史と伝統を誇る文化学院は、与謝野鉄幹、晶子らが男女平等と個性を尊重する新しい教育を追求した学校として創立した、当時としても先進的な学校だ。現在もその理念は受け継がれている。
 同学院では2009年春から、よりプロフェッショナルで創造的な人材の育成に向け、「新しい学校」として、学科を充実させ再スタートする。

 中学校卒業者を対象とした高等課程では、主要科目にITリテラシー科目を加えて基礎教養とし、@演劇・音楽・ダンスA文芸B美術、いずれかのコースを選択する専門教養を重視、業界のトップを担うクリエイターやアーティストを高等学校年次から育成する。
 感性教育として、日本で初となる「シネマリテラシー教育」も導入、3年間にわたる映画作りワークショップを全員必修とした。音楽、映像、シナリオ作成、美術、CG等あらゆる芸術の集大成である映画作りを通じ、自ら適性を見つけ、チームワークやコミュニケーション能力の重要性を体感できるように、との思いからだ。

 校長の戸田氏は「映画作りでは、学生らがシナリオ創りから対外的な施設や外部の方との交渉、撮影・編集のスケジューリングなどを行っていきます。その中で、人間性を学び、社会人としての礼儀等を身につけていくことも視野に入っています。また、映画が完成し、評価されたときの喜びは、他では味わえない達成感があるといわれています。本カリキュラムを通し、爆発的な喜びを味わってもらいたいですね」と語る。
 高等学校卒業者を対象とする専門課程ではさらに具体的にプロを目指すコースが用意されている。@放送A映画B音楽・ダンスC演劇・声優D総合デザインE美術F文芸の各コースがある。

 学校に隣接する放送局(日本BS放送)とタイアップし、放送現場での徹底したインターンシップが現役ディレクターを講師として行われる。音楽スタジオも充実、ミキシングなど実際に録音実習も行うことができる。
 他校では類を見ない特徴が、講師陣の豪華さだ。グラフィックデザイン評論の権威である柏木博氏、劇作家である井上ひさし氏ほか、現役トップクラスの音楽プロデューサーや映画プロデューサー、ダンサー、作曲家などが講師を務める。

 「文化学院はもともと、1人1人の個性を最高度に引き上げる、一般の学校には見られない少人数教育を行うことを目的にスタートしています。著名人からご協力を頂けるのは、文化学院のそんな伝統的な流れを理解していただいているから。年に数度の集中講義ではなく、業界第一線のプロの講師に教壇に上っていただく予定」。

 さらに専門課程の2年間にわたるキャリア教育を実施、卒業後も相談にのるなど、就職までをサポートしていく。
 「深い基礎教育と時代ニーズに応えられる即戦力の育成」を目標とし、これまでの専門学校や大学にはない学校を目指す、と戸田校長は述べる。

 戸田一雄(とだ かずお)=1941年大阪府生まれ。2003年松下電器産業株式会社副社長に就任。2007年松下国内マーケティング大学学長。現在は、滋賀大学特任教授、京都工芸繊維大学特任教授、アスクル株式会社社外取締役を兼務。(文化学院=東京都千代田区神田駿河台2−5Web=http://bunka.gakuin.ac.jp 入学相談フリーコール0120・75・1921)

【2008年12月13日号】