教育家庭新聞・健康号
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教育実践事例
キラ!ピリ!ニコッ!
ともに学びみがきあう児童をめざして
埼玉・吹上町立小谷小学校
養護教諭 藤原瑞穂
 本校では学校教育目標「目キラキラ、瞳キラキラ、生き生き小谷っ子」の具現化をめざし、健康教育目標を・生涯にわたり健康な心と体を大切にする児童の育成・として、取り組んでいる。

 本校児童の健康状態をみると、う歯罹患率(H16−39・1%)が最も高く、多くの児童に共通する健康課題である。また、小学生期にある子ども達は、乳歯から永久歯に生え変わる時期にあり、日常的に「歯がぐらぐらしてきた」「新しい歯が生えた」等の声が聞かれ、歯に対する興味・関心が高い。よって、児童に健康について意識づけるにはよい題材となる。

 またこれは、眼科や耳鼻科の疾患と違い、多くの場合、自分の努力で改善される見込みの高い疾患でもある。そこでこれらを踏まえ、本校では、「口の中の探検をしよう!」「親子歯みがきチェック!」など、歯科を中心に月例でワークシートを使った保健指導を行い、自分の口の中に常に関心を持てるような環境をつくっている。さらに、実践したワークシートを年間を通してファイルに綴じ込み、自分の健康生活の歩みを振り返ることができるようにしている。

 このことにより、児童の中に「虫歯はつくらない!」という強い意志がみられるようになったばかりか、保護者も子どもの口の中を常に観察するようになり、う歯保有者数の減少がみられるようになった。

 単純な指導では児童の意識化は難しいが、同じ課題で系統的、継続的に指導に取り組むことにより、児童や保護者の内面に根ざしていくものとおもわれる。今後も、学校歯科保健活動はもとより、健康教育全般に多くの視点からアプローチしていきたい。


【2005年1月15日号】