教育家庭新聞・健康号
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教育実践事例
栄養教諭制度への期待
杉並区・食育実践紹介
マグネットで食物を
グループ分けする子ども達
マグネットで食物をグループ分けする子ども達
 今年4月からスタートする栄養教諭制度。その活躍が期待される中、家庭科や総合学習などの時間を利用し、特色ある給食指導を目指す東京都杉並区の授業を紹介する。

実態調査して授業を
 桃井第二小学校

  桃井第二小学校(児玉良司・校長)の栄養職員野口つゆ子先生は、同校に着任して1年。2月16日は3年3組に「なんでももりもり食べよう−野菜を食べよう−」という主題のもと、バランスのとれた食事が健康な体を作ることを教えた。

 授業は、事前に行っていた「嫌いな食べ物」のアンケートをもとに進められ、まず「このクラスの嫌いな食べ物1位は?」と質問。1位はピーマン、2位魚類と続く。

 嫌いな理由に「苦い」などが挙がる中「人間には『味蕾(みらい)』という味を感じるところがあり、発達すると苦いものもおいしいと感じるようになるよ」と野口先生は説明。児童らは、新しい言葉に興味津々。

 続いて担任の倉重由紀子先生は、主人公が夢の中で赤・黄・緑3つの村を訪れ、バランスの良い食生活が大切だということを理解していく紙芝居を読み、児童らは野菜不足が便秘につながることなどを知った。

 それをもとに、マグネットを使い食物を赤・黄・緑の3つに分ける作業を行った。野口先生と見直しを行い、「みそ」は体を作る赤の部屋に入るとわかると、児童からは驚きの声も。
 最後に「これからは好き嫌いなく食べたい」「『味蕾』というものを学んだ」などの感想が発表され、授業を通して児童らは普段の食生活を見つめ直し、好き嫌いが体に与える影響を学んだ。

 野口先生は「特別な工夫こそないが、各クラスの実態をつかむため事前準備にアンケートを行ったことが良かった」と話し、その他にも土曜学校に参加するなどして名前を覚え何かにつけて児童と会話し交流を図る。児玉校長は、「食べることで家庭・友達との交流が図られていく」と栄養指導へ期待を持つ。



パソコンで献立作成
 杉並第六小学校

PCで献立を作成
PCで献立を作成
 杉並第六小学校(大1053富太郎・校長)6年1組は、9時間に渡って「バランスのよい食事を考えよう」の授業を行っている。2月25日3時間目の授業は、パソコンを使用してごはんと味噌汁を使った献立の作成。

 献立を打ち込み、揚げ物を焼き物に変更するなど「グットバランス」の表示が出るまで工夫を凝らす。「グットバランス」になった自分の献立を印刷して授業は終了。引き続き行われた4時間目は、米と味噌の特長について学ぶことで、今後行う調理実習に備えた。

 同校の栄養職員は杉並区内に3人いる男性職員の1人江口敏幸先生。江口先生は、「栄養職員ならではの工夫、学校全体の理解と実践、地域・家庭との連携を課題として取り組みたい」と話す。


【2005年3月19日号】

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