教育家庭新聞・健康号
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教育実践事例
飲酒・喫煙・薬物乱用
防止教育の取り組み
埼玉県立伊奈学園中学校
養護教諭 山田直子
TT授業風景
TT授業風景
 本校は平成15年度に開校した県立の併設型中高一貫校で、今年度3学年がそろった。中学の保健室は昨年度から設置されたが、健康診断をはじめとして生徒の健康管理面や、救急処置、環境衛生等、高校の保健室と連携を図りながら、中学としての健康課題の把握とその解決を中心にした健康教育に取り組みはじめたところである。

 健康教育の中でも、特に「飲酒・喫煙・薬物乱用防止教育」は現代社会の実態からみても重要な課題である。本校でも課題把握のために実態調査を行ったところ、喫煙の害や未成年の喫煙防止については意識が高い反面、飲酒に関しては地域・家庭を含めて未成年の飲酒の危険性についての認識が甘い部分が見られた。そこで、未成年の飲酒防止教育を通して、生涯にわたって健康な生活を営むために自分が何をどう選択していくかを実践できる力(行動選択・意思決定能力)の育成に取り組んだ。

 子どもたちがアルコールについて正しい知識を得るとともに、その知識を行動化・習慣化(未成年では飲酒しない・将来お酒と上手に付き合っていく)ために、それぞれの発達段階に応じた内容を、その時々にしっかり押さえていく必要があると考えた。小学生の最初の段階「子どもはお酒を飲めません」から高校生の「健康を考えた飲酒」「お酒との付き合い方」につながるよう、中学生としておさえるべきポイントを絞り、実践化に向けて、保健学習・学級活動をリンクさせて取り組んだ。本校の保健体育科教諭は同高校の「保健」の授業も担当していたので、中学生においては6年間を見通した保健の授業の指導計画の立案・実践を行うことができた。学級活動としては、養護教諭と保健体育科教諭がT・Tで授業を行った。生徒は自分の心や体のことについて、とても興味関心を持って授業に参加していた。

 まだスタートしたばかりで、いろいろ試行錯誤しながらの取り組みである。心もからだも成長する中・高校生の時期にどう過ごすかがとても大切であるので、6年間を見通した健康教育の実践に向けて更に取り組んでいきたい。

アルコールパッチテスト
アルコールパッチテスト


【2005年4月16日号】


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