教育家庭新聞・健康号
TOP健康号子どもの心とからだの健康  バックナンバー
子どもの心とからだの健康
子どもの目への知識を高めよう

■子どもたちの近視とコンタクトレンズの使用

 多くは遺伝によってなるといわれている近視。日常生活に支障をきたすほどの近視になったら、眼鏡かコンタクトレンズを装着することになるが、子どもの頃から眼鏡をかけさせることに抵抗があり、コンタクトレンズの装着を希望する親が多いという。また、近視ではないけれどもお洒落用としてカラーコンタクトレンズを装着する若者もいる。気軽に購入することができるコンタクトレンズだが、その気軽さに、川口市で眼科クリニックを開業している竹井先生は警鐘を鳴らす。コンタクトレンズの正しい知識を竹井先生に伺った。
(レポート/中 由里)

正しい使用法を購入時に学んで

―コンタクトレンズの使用に当たってまず注意すべきことは何でしょうか

  コンタクトレンズは、「高度管理医療機器」といって、心臓ペースメーカーと同じように医療機器の一つですから、医師の処方があって初めて作るべきものです。また、異物を眼の中に入れるのですから、そもそも眼に負担がかかるものだということを忘れてはいけません。その負担を最小限に抑えるような正しい使用法を販売の際にきちんと伝えることが肝心です。

  ところが販売店によっては、注意・指導を完璧に行っていないところがあるようです。定期検診を行ってきちんと指導していれば、コンタクトレンズによるトラブルはそんなに多いはずはないのですが、私のクリニックにもひどい症状を抱えて来院する患者さんが数多くいらっしゃいます。これは学会でもいつも話題になる問題なのですが、診療面に生かされていないというのが現状です。

―使用法が間違っているとどんなトラブルが起きるのですか

  まず角膜に傷がつくことが懸念されます。眼を異物で覆うことで酸素の行き来がしづらくなることで、合併症を起こしやすいのです。酸素透過性が高いレンズもあるにはありますが、限度があります。

  またソフトコンタクトレンズの場合、眼の表面の水を吸ってしまう、瞬きの回数が減るという特徴があります。涙というものは24時間分泌しており、瞬きを1回するたびに水分は移動して循環し、眼を守っています。それが正しく行われなくなるといわゆるドライアイになり、炎症(角膜炎)を起こしやすくなるのです。炎症が細菌感染を起こし、潰瘍となれば失明の恐れもあります。

清潔を保ち異常時は診察を

―正しい使用法を教えてください

  一つは、洗浄や消毒を適切に行って清潔を保つことです。時々取れてしまったレンズを唾液で湿らせて装着してしまう人を見かけますが、とんでもないことです。ソフトコンタクトレンズの場合は、約3時間ごとにコンタクトレンズ用の点眼薬をさしてください。

  もう一つは、装着時間を守ることです。12時間から14時間が限度ですが、装着時間を短くすればするほど負担は減ります。それから休みの日を取ること。最低週1日は眼を休ませてください。
  さらに、オルソケーレンズ(夜間装着することによって角膜の形状を矯正し、視力を回復させる特殊なコンタクトレンズ。これを使用した治療法をオルソケラトロジーという)を除いて、夜間の使用は避けること、使い切り対応のものは使用期限を守ることも大事です。

  また、眼の充血を軽視しがちな人がいますが、赤いというのは普通の状態じゃないということです。すぐに使用を中止して専門医の診察を受けてください。異常がなくても定期検診は必ず受けましょう。

―コンタクトレンズより眼鏡のほうがいいのでしょうか

  確かに眼鏡は眼そのものには負担をかけません。しかし、患者さんのライフスタイルによっては、コンタクトレンズにせざるを得ない場合もあるでしょう。子どもの場合は、体育の授業や運動部活動の都合で眼鏡をかけられないというケースが多いようです。

  一方、子どもの頃から眼鏡をかけさせたくないのでコンタクトレンズにしたいという親御さんが結構いらっしゃいます。でも私は子どもにこそ眼鏡をお勧めします。それは眼が完全に出来上がっていないからです。せめて18歳になるまではコンタクトレンズの終日使用を避けてほしいものです。

  眼鏡を使用する場合でも、眼科医の処方は必ず必要です。眼鏡の調整も微妙なもので、とくに成長期の子どもには精緻な調整をした眼鏡を用意し、肉体的にも精神的にもストレスがないようにするべきです。

5歳になったら医療機関へ

―学校検診で視力低下を指摘されたら、専門医へ行けばいいのですね

  学校検診は過信しないでください。視力測定は学校側で行われるもので、医師の判断ではないからです。なまじ学校検診があると過信して、専門医療機関から足が遠のいてしまうデメリットがあるので、私は眼科の学校検診は不要とさえ考えています。眼の異常は専門医が診なければわかりません。5歳になったら1年に1回は検診を受けるとこをおすすめします。

  日本人はもともと近視化しやすいともいわれています。コンタクトレンズ、眼鏡の使用も含め、子どもの眼についてもっと親御さんが積極的に知識を高めてほしいですね。




【2007年10月13日号】

新聞購読のご案内