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子どもの心とからだの健康
学校を核とした環境負荷抑制の取組

(左)杉並区教育委員会庶務課 課長・徳嵩淳一さん 
(左)杉並区教育委員会庶務課 課長・徳嵩淳一さん 
(右)エコスクール推進担当主任主事・藤山健次郎さん

■杉並区におけるエコスクールの推進

 文部科学省は平成6年に「環境を考慮した学校施設に関する調査研究・協力者会議」を発足、国をあげてのエコスクール化への取り組みが始まった。家庭で、社会で、そして学校でも、子どもたちはさまざまな形の環境配慮行動に取り組んでいる。では、その教育の器である学校においては、現在どのようなエコの取り組みがあるのだろうか。東京都で最も早く校庭の全面芝生化を実施した杉並区では、この春、最新のエコスクール化に取り組んだ小学校が完成した。その場限りではない、持続可能な環境保全を目指した小学校建築のリポートに先立ち、杉並区におけるエコスクール推進の取組についてお話を伺った。
(レポート/中 由里)

緑化、遮熱等で環境負荷を軽減

―杉並区におけるエコスクール推進の取組について教えて下さい
 杉並区では、子どもたちの教育環境の充実を図るとともに、地球温暖化、大都市の気温上昇現象(ヒート・アイランド現象)などの環境問題に対応するため、年間を通じて環境への負荷を可能な限り少なくした学校施設づくりを進めています。

 具体的には、校舎等の緑化(校庭の芝生化、屋上・壁面の緑化、ビオトープの整備など)、校舎における遮熱(外断熱、庇・バルコニーの設置など)、自然換気システム(ナイトパージ、地中熱利用クールヒートレンチ)、そのほか太陽光発電システムの採用などがあります。

 本年3月に竣工した区立荻窪小学校(移転改築)は、これらに総合的に取り組んだ「まるごとエコスクール(環境共生型学校)」として整備しました。このような改築時の取組とあわせ、既存の小・中学校校舎についても、各校の実情を踏まえた内容で、省エネ・省資源型のエコスクール改修を計画的に進めています



エコ化を計画的に実施

―エコスクール化のこれまでの実績について教えて下さい
 杉並区の小・中学校、養護学校は67校ありますが、この間の校舎改築やエコスクール改修等の取組により、校庭の芝生化は14校、屋上緑化は29校で実施しています。また、夏季の直射日光が教室内に入ることを遮る庇・バルコニーは10校、同じく夏季の夜間に校舎内の自然換気を行うためのナイトパージは12校に整備しました。

 今後とも、これらを計画的に進め、杉並区版エコスクールの定義としている、「環境にやさしい施設づくり」、省エネ・省資源・リサイクルなどの「環境にやさしい学校運営」、さらには、家庭・地域の人々も含めた「環境教育」を地域ぐるみで推進していく考えです。

屋上と壁面緑化で夏期約2℃低減

―エコスクール化により室温など、どのような効果がありましたか
 屋上緑化・壁面緑化については、大学の研究室の協力を得て、夏期教室内温度を2℃程度低減させる効果が実証されました。また、ナイトパージによる自然換気実施校では、未実施校に比べ、30℃を超す時間帯が短くなる効果が認められています。

 加えて地中熱を利用した荻窪小学校の自然換気システム(クール・ヒートトレンチ)では、夏期の温度低減ばかりではなく、冬期においては2℃程度の温度上昇を見込んでいます。今後、トレンチ内部に設置した測定器のデータや、大学研究室の協力により、検証作業を進めていきます。

学校での取組を家庭・地域へ

―環境教育の考え方について教えて下さい
 杉並区では、平成15年2月に「教育機関ISO14001」の認証を取得し、小学校5年生を中心に、環境教育プログラム「キッズISO」への積極参加を進めるほか、芝生等での生き物観察や児童参加によるビオトープづくり、敷地内の落ち葉を利用した腐葉土・堆肥づくりなど、エコスクール化に伴う環境教育の充実を図ってきました。

 これらの活動は、環境に熱心な団体や関係者等の支援をいただきながら展開していますが、このように子どもたちが環境教育を通じて学び、実践したことを、さらに家庭や地域に広げていくことが重要です。このように、子どもたちから大人が学び気付くことも多いのではないでしょうか。
校庭芝生の維持管理についても、専門業者による対応の他、一部の学校では、定期的な芝刈り等で保護者や地域の方々の支援を頂いていますが、こうした取組が各学校でより確かなものになっていけば、学校を核とした地域コミュニティもより一層高まるでしょう。

【2008年6月20日号】


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