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みんなで使う学びの場“学校図書館”なるほど!Q&A(43)

Q.中学校の学校図書館。新聞が複数紙購読できることになりました。授業でどのように活用できるでしょうか。

回答者:村山正子(全国学校図書館協議会 学校図書館スーパーバイザー)

A.新聞をそれぞれの視点で活用

同じニュースでも、新聞社によって、また全国紙と地方紙で、取り上げ方がずいぶん違います。社の姿勢や書き手によって違うし、地方紙はその地域の人の立場で書くでしょう。つまり、情報の価値や意義は、視点や立場で変わってくるもので、「正解は一つ」ではないのです。複数紙を読み、正解のない社会事象を自分なりに考え意味づけをする。これは教科書や試験ではできない貴重な経験です。

国語科で見出しの違いを比較したり、社会科で一つの事件の扱い方の比較をしたり、また体育科ではスポーツの記事を、勝者・敗者の視点、第三者の視点など、どの視点から書いているか比較した先生もいました。食品偽装や保育の問題を、複数紙から探してレポートにさせた家庭科の先生もいます。色々な教科で活用できますね。

震災や原爆の日など、同じ日の新聞を、比較できるよう廊下に掲示しておくだけでも効果があります。その前を通った生徒や先生が、比べながら見ていきます。同じ洪水の記事でも、道徳や総合だけでなく、理科では気象のこと、英語では伝わりにくかった外国語のこと、社会では行政区域のことなど、記事を見た先生がそれぞれの視点で、授業の中で扱ってくれました。

新聞を比較しながら読むことで、異なる立場にも思いがいくようになります。現実社会に生きることに目が向き、思考に多面的・立体的な広がりが生まれていくのです。せっかくの複数紙配備、有効活用したいですね。

 

【2017年4月24日号】

 

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