約9割の子ども「料理楽しい」

低年齢から興味を示す   キッズクッキングコンテスト

 

  約9割の子どもが料理に「興味あり」と回答−−最近、家庭料理が確実に・簡単料理・の方向に進んでいる中で、子どもを対象とした料理番組が増えるなど子どもの料理への関心が高まっているが、東京ガス都市生活研究所で「キッズクッキングの実態調査」を実施したところ、こんな結果が明らかになった。子どもの調理活動について、子どもたちにとっての料理の位置づけ、家庭でどのような料理活動がされているのかなどを調査したもの。年中児(4〜5歳)から小学校6年生までの子どもを持つ母親、1190人を対象に行った(回収率52%)。


 まず料理作りへの関心について、全体では「大変興味あり」が45%「興味あり」が43%と9割近くが料理に対して関心を持っていることがわかった。全体的にどの年齢でも男児よりも女児の方が関心度が高く、男児では年齢が高くなるにつれて興味が低くなる傾向が見られた。「料理に興味を持ち始めた年齢」を小学校3年生以上に聞いたところ、「5歳」が最も多く22・4%、次いで「4歳」が15・3%、「6歳」が14・6%と続いており、初めて料理に触れさせるには「就学前後がよい」との結果が出ている。
 「どのような料理作りに参加しているのか」については「食器を並べる」が76・6%とトップで以下「餃子を包む」62・1%、「包丁で切る」60・0%、「野菜をちぎる」55・0%、「ハンバーグの種を混ぜる」54・3%、「食器を洗う」53・7%−−と続いており、出来ることからけっこう参加していることがわかった。調理道具の使いだす年齢は包丁が意外と早く、年長児から。「親が見ていれば使わせる」を含めると約7割近くが使っているという結果だった。加熱機器の中では電子レンジの使用が最も早く、小学校1年生。電子レンジと違って加熱部分が露出している機器についてはどうしても遅く、オーブントースターが小学校2年生、ガスコンロが小学校3年生だった。

低学年の得意メニューは卵料理 

「1人で1品以上作れる」子どもの割合は、小学校1年生で2割弱だが、学年が上がるにつれて増えていき、小学校4年生になると5割を超す。また得意メニューを自由回答で聞いたところ、小学校低学年まではサンドイッチ、サラダ、目玉焼き、いり卵など卵料理が圧倒的。中学年になるとバリエーションも豊富になりチャーハン、餃子、野菜炒め、カレー、ケーキなどのメニューが登場してくる。中には「ナスの味噌炒め」(小3女)、「サツマイモのレモン煮」(小3男)、「肉じゃが」(小6男)などの大人が作るようなメニューや、「あわびや釣った魚をさばく」(小5女)、「自作のアイデア料理」(小5女)などのユニークな回答もあった。
 「料理づくりのどこが楽しいか」については、1番が切ったり丸めたり焼いたりなど「料理そのもの」で76・1%、次いで「家族がおいしいと誉めてくれる」が56・8%、「上手にできたとき」50・2%、「両親と一緒に作れる」44・3%と続いている。これを年齢別に見ると、年齢が低いほど「両親と一緒に作れる」という回答が多く、料理作りが・親子レジャー・となっていることがうかがえる結果が出ている。
 「子どもが料理に参加することの効果については」「子どもが作ったことが食事中の話題になる」が圧倒的なトップを占めて82・1%、「子どもは自分が作ったものは嫌いなものでもよく食べる」39・5%、「子どもが作った料理は父親がよく食べる」36・3%という数字だった。
 

親子料理教室にも興味津々
   
 一方母親の料理への関心度がどう影響するか「料理に大変興味がある」と回答した子どもの割合で調べたところ、料理が「大好き」と答えた母親の子どもが62%であったのに対して、料理が「好きでない」と回答した母親の子どもは39%にとどまっている。また小学校2年生以下の子どもを対象とした「親子料理教室」に興味があるかどうか聞いたところ、約7割が「興味あり」と回答。その魅力として「親子が一緒に楽しめるレジャーとして」「子どもが料理に興味を持つきっかけとなる」「子どもが調理器具に触れるきっかけとなる」−−などがあげられており、全体的な傾向として、子どもの低年齢からの調理に対する需要があることがわかった。
 こうした調査結果について、同研究所では「子どもの料理は家族コミュニケーションを促進する。親子が一緒に楽しむレジャーとして、低年齢向きの料理教室は親子ともに料理への関心を高めてもらう格好の機会で有意義ではないか」と結んでいる。

(教育家庭新聞98年12月12日号)