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実践講座 PTA広報紙Q&A
<第18回> 2005年12月17日号掲載
 記事の内容はともかくとして、見栄えのする広報紙にするためにはどうしたらよいでしょうか。編集会議も間近で、記事はほとんど集まっていますので、記事内容を変えることはできません。どんな工夫をしたら、読者を引き付けるような紙面が作れるでしょうか。教えてください。


工夫された手づくりの見出し例
工夫された手づくりの見出し例

 企画会議で作ったラフレイアウトを元にして、集めた原稿を整理し、割り付けを正式に行う段階を「編集会議」と呼んでいます。まず、原稿をチェックし、見出しをつけ、その原稿の位置を指定し、印刷所に原稿を送るまでの作業が編集の仕事ですが、この最後の段階でできる見栄えのための工夫などを具体的に説明したいと思います。広報紙づくりのこの段階を料理にたとえれば隠し味、そして器に盛りつけることに相当するでしょう。

 見栄えのする広報紙の基本は、割り付けにあります。基本的には、本文の割合を50%前後にすることで見やすくなります。割り付けをほとんど変えないで、見出しや写真、罫線などの部分の合計を50%近くにしたり、これらを引き立たせるためには次のようにするとよいと思います。

  1. 見出しを大きくとる‥上段の大きな2段見出しは、5行から6行取るとよいです。3行しか取っていないところを5行に増やすと、4行分の字数を減らすことが必要ですが、この程度なら削除できるでしょう。たった1行分見出しを大きくするだけでだけで見やすさはかなり異なります。また、このような大きな見出しは、文字の部分を四角く囲みません。
  2. 大きい見出しとは逆に、小さな見出しは実線で囲む‥そうすると大きく見えます。1文字1文字をマスで囲んでもよいです。
  3. 見出しの字体やデザインに変化を持たせる‥様々な字体の写植の文字が印刷所にそろっていますし、地紋も色々なものがあります。あるいは、手書きの見出しを入れたり、パソコンで作った見出しの文字を袋文字にしてもよいでしょう。
  4. 罫線の工夫‥囲みの罫線は、実線ではなく花罫を使うと引き立ちます。花罫を入れるためには1文字分を空けておかなければなりません。行間や文字間には、罫線を入れることは無理です。普通の新聞に使われているものや、他校のPTA広報紙の良いと思ったものの一部を切り取り、割り付け用紙の指定の場所に貼っておきます。
  5. 写真も大きめに‥一般的に広報紙の写真は小さいです。大きく入れられなければ、大きめの写真の回りの余計な部分を切り取り、必要な部分だけにすると大きく入れたのと同じような効果があります。
  6. 季節感のあるカットを使って、季節の雰囲気を出す‥見出しの文字に雪を被せたり、落ち葉を2、3枚散らしただけで季節感がでます。
さまざまな罫線(花ケイ)
さまざまな罫線(花ケイ)

 多少お金がかかりますが、印刷用紙を変えてみるという方法もあります。水色やベージュ系などにしてみると雰囲気が変わるでしょう。また、印刷機を一度洗わなければならないので、印刷所はいやがるかもしれませんがインクの色を変えてみてもおもしろいでしょう。紺やこげ茶など濃い色が無難です。

 また、2色刷りという手もあります。見出しだけを黒以外で刷るというものですが、どれだけ高くなるか印刷所と相談してみてください。工夫とちょっとしたアイデアで見栄えのする広報紙が作れますし、作る楽しさも味わえるでしょう。
 全国新聞研究協議会会長・鈴木伸男(町田市立町田第二中学校長)