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実践講座 PTA広報紙Q&A
<第24回> 2006年6月17日号掲載
 座談会も新聞記事の取り上げ方の一つですが、最近は広報紙に取り上げられることが少なくなっているように思います。今年度の委員から座談会を入れたいという意見が多くあり、2学期号でぜひ載せようと考えています。どんな内容について行うとよいでしょうか。進め方の手順などを教えてください。


 座談会はページ数を多く必要とされるので敬遠される傾向にあるようです。テーマは、「よいか悪いか」など二者択一的な内容は、なるべく避けてください。また、思想、宗教、政治などと結びつくと大きな問題に発展する危険性があります。わが家のしつけ、より良い家庭学習は?思春期の親子関係、子どもの安全と不審者対策などはよい例でしょう。いま、社会ではこんなことが問題になっているが、本校・地域・家庭ではどうだろうかということも座談会を行う上での視点です。

 次に、出席者数ですが歌舞伎の顔見せ興行ではありませんので、ずらりと十数名も登場させるわけにはいきません。1人が1回に2分間発言したとすると、それだけでも900字の文字数です。3分の1程度に縮めたとしても、1人3回発言すると原稿用紙2・5枚にもなります。A4判の広報紙ですと半ページ以上です。このように考えると出席者は司会を含めても6名が限度です。

 この6人をどう選ぶかが大きな問題です。PTA・保護者(テーマによっては学校も)の代表となるように人選します。小学校では、1・2年、3・4年、5・6年から各1人、PTAの役員から1人、学校側から1人、広報委員会から1人で計6名になります。学年の代表は、広報委員会で決めないで、学年委員会にふるとよいでしょう。
 しかし、人数さえ揃えばよいというものではありません。PTAの役員、委員はほとんどが女性ですので、女性だけに片寄らないようにすることも必要です。座談会の内容によっては、お子さんの性別、人数なども考慮します。少ない人数で保護者全体を代表するよう選ばなくてはいけないからたいへんです。1人を公募でPTA会員から募ってもよいでしょう。

 出席者が決まったならば、依頼状を送ります。座談会の日時、内容、全員の出席者名なども書いておきます。関連したアンケート調査があるならばその結果なども同封しておくとよいです。

 司会は、広報委員長が行うか本部役員にやってもらいます。PTAの会報なので先生ではない方がよいと思います。座談会に入る前に、進め方の説明をします。発言の順番、1回の発言時間などです。時間は30〜40分程度で、発言回数や時間は平等になるように司会者は注意します。差が生じた時には、原稿にする時に調節します。また、どうしたらよいかその改善策のヒントになるように話し合いを進めていくとよいです。紙面に載せる時には、匿名は避けなければなりません。依頼状に紙面には実名を出すことを明記しておきます。

 座談会の記録はテープに頼らないことが大事です。出席者が多いのでカセットレコーダーに録音しても誰が発言したのかを聞き分けられません。自分の耳を頼りに速記し、カセットレコーダーは補助に使う程度にしましょう。出席者と同じ人数の記録者を用意し、1人が1人の人を担当します。

 全国新聞研究協議会会長・鈴木伸男(町田市立町田第二中学校長)