教育家庭新聞
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実践講座 PTA広報紙Q&A
<第25回> 2006年7月15日号掲載
  PTA広報紙に学校行事がよく取り上げられているように思います。運動会・学芸会・移動教室・修学旅行などです。本校PTAの広報紙でも昨年度までは、これらを大きく取り上げていましたが気になっていました。PTA広報紙の発行のねらいからすると果たしてこれでよいものだろうかという疑問が湧いてきますがいかがでしょうか。

 多くのPTA広報紙に「修学旅行」や「移動教室」などの旅行的行事のことがよく載せられていて、1〜2ページを割いて特別な扱いをしているところも多いです。結論からいいますと、運動会や学芸会は、ともかくとして、宿泊行事は載せるべき内容とは言い難いです。

 理由としては、第一に修学旅行や移動教室はPTA行事ではないということです。保護者が全くといってよいど関わっていない学校行事です。PTAという組織の活動を知らせたり、学校・教育に関する意識の向上をはかるとともに、学校や学校をとりまく環境を改善し、子どもの教育に役立てていくという広報紙発行の目的にも結び付きにくいからです。 そして、第二に載せられている記事のほとんどが依頼原稿や写真を借りて、思い出ページにしているだけのものが多いからです。本来ならば生徒のつくる学校新聞・学級新聞や、学校から出す学校だより等で取り上げるべき内容です。

 どうしても載せたいというのなら、まず同行取材を行うようにすべきです。現地までいけないとしても集合場所や新幹線に乗り込むところまでなら取材に行けるでしょう。生徒の生の声を集めたり、先生方の大変さなどをルポ風に載せるのなら意義がある記事になるでしょう。また、修学旅行の意義、タクシー行動のメリット、なぜ費用が高いのかなどを、保護者(PTA会員)に説明することはよいことです。

 運動会や文化祭と違って、保護者に分かりにくいのが修学旅行や移動教室です。このことを念頭におき、学校教育の理解を深め、考えてもらうような内容にすると広報紙発行の目的にも合致したものとなります。

 全国新聞研究協議会会長・鈴木伸男(町田市立町田第二中学校長)