教育家庭新聞
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実践講座 PTA広報紙Q&A
<第27回> 2006年9月16日号掲載
  よい広報紙を作るためには、よい写真も必要なことは分かっているのですが、そのためにはどんな写真がよいものなのか、よく分かりません。広報紙に載せる写真の撮り方などを教えて下さい。また、紙面にどう入れたらよいかも教えて下さい。

 PTA広報紙に載せる写真は基本的には報道写真であり、5W1Hを補うために使います。『百聞は一見にしかず』という言葉があるように、1枚の決定的な写真の方が百行の文章よりも、ニュースをより正しく衝撃的に伝えることがあります。

 2004年10月21日の夕刊には『水没バスで一晩 37人無事救出』という記事に大きな写真が載せられていましたが、新聞によって写真が異なっていました。その日の朝のニュースで全員無事救助されたことを読者は知っているわけですので、ゴムボート救助中の写真よりも、救助隊が到着した瞬間の写真の方が、インパクトがありました。ある新聞は3版より4版の方に、早い時刻に写した(古い)写真の方を載せましたが、その理由が分かりました。

 ところで、撮り直しが出来ないのも報道写真の特徴で、シャッターチャンスを逃さないことです。いつ・どのようなチャンスがあるか分かりません。デジタルカメラで小まめに写し、必要なものだけを残します。

 具体例で示します。運動会では、百足競走のような走る種目は、低いアングルで撮ると迫力ある写真が撮れます。開・閉会式、組体操、ダンスなどグラウンドいっぱいに広がって演技している時は、屋上から写してみるのもよいでしょう。観客席から保護者と同じ目線で写すことが多いと思いますが、逆にトラックの中から観客席を写すことも必要ですし、校庭の外もよいシャッターチャンスが生まれます。

 運動会では必ず予行練習を行いますので、どこでどんな写真を写したら良いかは、このときに決めるとよいでしょう。都会の学校の場合は、隣のマンションの階段などからもよい写真が期待できそうです。

 室内行事・活動の代表が文化祭、学芸会です。野外ではコンパクトカメラで十分ですが室内用には大型の一眼レフが必要です。舞台は明るいですが、観客席はかなり暗くしてあります。文化祭の雰囲気を出すためには、演技する生徒だけではなく観客席の保護者などが入った写真も必要です。舞台で発表している写真はできるだけ近づいて撮ってください。また、紙面では各学年を平等に扱います。

 写真撮影で気を付けることは、競技の邪魔にならないようにすることで、報道とかPTA広報委員会という腕章を腕に付けて取材・撮影を行います。

 写した写真はそのまま紙面に載せるのではなく余分なところをカットし、必要な所のみにしますので少し大きめにプリントした方がよいです。

 また、カラー写真は色の違いで識別できますが、白黒の紙面に印刷したときは、濃淡で表されることから識別できない時もあるので注意が必要です。そして、最後に写真にはエトキをゴジック体で入れます。

 全国新聞研究協議会会長・鈴木伸男(町田市立町田第二中学校長)