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実践講座 PTA広報紙Q&A
<第31回> 2006年1月20日号掲載
  年3回発行しているPTA広報紙とは別に、「号外」を出しているところもあると聞いています。どんな時につくられているのでしょうか。その目的は何で、どんな時に発行するのが効果的なのでしょうか。また、この号外と特別号との違いも教えてください。

 新聞コンクールの審査を行っていると号外と称する広報紙をよくみかけるようになりました。その作品の特徴は、手刷りで、企画から発行までの期間がとても短いということです。手軽にスピーディーに意欲的に作られているという印象を持ちます。このような活動は、発行回数の少ない広報紙の欠点を補ったり、活動をより活発にする上でとても効果的です。

 さて、号外とは何でしょうか。大辞泉(小学館)には、「新聞などで、重大な事件が突発したときなどに、臨時に発行するもの」と書かれています。日刊のふつうの新聞では、第一面の左上に創刊日からの通し番号が記されていますが、この発行号数が書かれず突発的に発行するのが号外です。大事件・大事故・すごく良いこと(慶事)が起きた時に発行されます。昨年では、「荒川静香選手の金メダル」「WBCで日本優勝」「紀子さま男児ご出産」などの号外が出されました。

 さて、PTA広報紙で、この号外に相当するようなことがあるのでしょうか。「自校のある部活動(スポーツ)で全国優勝」や「いじめを苦に、子ども(児童・生徒)が亡くなった」などの時には号外を出す意義があるでしょう。新聞コンクールの作品をみると運動会の前日や当日に発行したり、周年行事の式典に合わせて号外を出したりするケースが多いように思います。これらも広報委員会の立派な活動ですが、号外と呼ぶのには違和感を覚えます。

 まず、それは想定外のことではないですし、年度のはじめに予定されていることがほとんどです。周年行事もある年数がたてば自ずと行われるものです。特別号≠ニか特集号≠ネどとした方がよいですし、号数も通し番号に加えた方がよいかと思います。行事の当日に発行するのでしたら速報版≠ニします。

 特別号の発行は年3回の定期発行の広報紙を補う上で、とても良いことで、気軽に楽しんで作られるとよいでしょう。

 全国新聞研究協議会会長・鈴木伸男(町田市立町田第二中学校長)