連載

学校給食は食育の教材【第29回】食育授業の根回しA

目的を絞った授業で効果をねらう

給食
青葉ごはん、鮭のホイル焼き、キウイなど

「二月は逃げる」と言います。年度末整理にエンジンがかかる頃ですが、瞬く間に過ぎていきそうで心配になりますね。さて、前回に引き続き外部講師を招いた食育授業について、これまで実践してきた活動を3つ紹介しましょう。

@わかめの授業(理研食品株式会社)

わかめ授業のようす
わかめ授業の様子

生活リズムの調査をしたところ、毎日排便をしていない児童がかなりいることが分かり、養護教諭と連携した「生活リズム見直しキャンペーン」の一環として実施しました。

対象学年3年生:実物のわかめ(原藻わかめ)を用いての学習、簡単な実験などを通して、わかめの栄養、整腸効果を知り、海藻を食生活に取り入れようとする意欲を育てるという観点で行いました。

事前に実施場所の確認と授業内容(特に担任・栄養士が担当する導入部分)の打ち合わせを行いました。

Aぎょしょく(愛媛県愛南町)

子供の魚嫌い(魚離れ)の本当の原因は、食べ方が難しい・面倒ということから来ているのではないかと聞きました。

そこで、和食のおすまし御膳給食に合わせて、実施することにしました。お魚マイスターの資格を持つ給食業者の口利きで、愛南町の役場の方にお越しいただきました。

対象学年5年生:社会科「我が国の水産業」とからめて、漁業や魚の栄養の学習、いろいろな魚の実物展示や魚のさばき方の実演の見学を通して、魚に対して興味関心を持つこと、給食時にお魚マイスターより尾頭付きの魚の食べ方について指導を受け、魚を身近に感じ、積極的に食べようという気持ちを育てることを目的に実施しました。

愛南町と電話での打ち合わせ2回、給食業者と30分程度の打ち合わせ。当日の児童からの質問への対応について確認しました。

Bキウイの秘密(ゼスプリインターナショナルジャパン株式会社)

最近家庭で食事のデザートは、ゼリーなどのお菓子的要素の強いものが主流となっていて、果物消費が減っているそうです。数年前ですが、いちごを出した時「初めて食べた」という1年生がいて驚いたものです。
そこで学校公開時に実施し、保護者の方にも美味しいキウイの見分け方・食べ方などについて学習していただこうと考えました。

対象学年2年生(キウイアレルギー児がいない学年):果物クイズ、果物の栄養、キウイの種類と特徴、ゴールドキウイ・グリーンキウイの試食。

前回紹介した「ニジマスプロジェクト」では、ニジマスという教材をどのように活用しようか頭を悩ませましたが、児童の反応が予想を超えて良かった時などとても嬉しく思ったものです。今回紹介したものは、外部講師が企画した授業ですので、実施後のまとめ方や目的などを考え、より良い効果を狙うことが大切かと思います。また、授業内容によっては、改善が必要と思われるものについては、担当者に提案することも重要です。単発で扱うもの、継続していくものを見極め、食育年間計画に組み込むことをお勧めします。

大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師の他、学校給食Web(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。


【2017年2月20日号】

<<ひとつ前にもどる

関連記事

<< 連載へ戻る