下着に関する意識・実態調査 

 成長段階に会わせた下着の着用を
    「自分のサイズ知らない」3割  購入時の採寸、試着はわずか

 本紙では前回、前々回に引き続き、今年度も「下着に関する意識・実態調査」を実施。小学5、6年生、中学1、2年生の女子計600人と、保護者300人、養護教諭200人を対象にアンケート調査を行った。今回の調査では「自分のブラジャーサイズを知っているか」「どのように測っているか」などより具体的な質問項目を加えたが、自分のバストサイズを測ったことがないという子や、子どものサイズを把握せずにブラジャーを購入しているという保護者の実態などが明らかとなった。



 子ども
   ワイヤーが胸にあたり傷み訴える子も
 □下着の情報源
 「下着の情報はどこから得ていますか」との問いには、母親が最も多く47・5%。次いで雑誌、友達と続き、学校、先生を情報源としている子どもはわずか1・5%のみ。「先生と下着の話をすることがありますか」との問いには、ほぼ全員が「あまりない」「ない」と回答している。学校での下着に関する指導があまり行われていない現状や、また先生方に相談しずらい実態などがわかる。
 □下着選び
 下着を選ぶ時の一番のポイントに「デザイン」と答えた子が最も多く約6割に上った。「着け心地」を選んだ子は18・8%、「素材」は15・3%と合わせて3割強。
 同様に保護者に対し子どもの下着選びのポイントを聞いた設問では「着け心地」「素材」を重視しているとの回答が多く、それぞれ約30%、「デザイン」は20%。保護者が素材や着心地を重視する一方、子ども達には以然としてデザイン、見た目重視傾向があるといえる。
 □ブラジャー
  着用の時期
 今回の調査対象者のうち、ブラジャーを着けている子どもは全体の約6割の354人。うち半数の子どもがスポーツブラ、ノンワイヤーブラを着用、ワイヤーブラ着用も100名近くおり、比較的多くの子どもが早くからワイヤーブラを着けていることがわかった。ノンワイヤーブラを着け始めた時期は小学6年生(67名)、中学1年生(59人)の時期が最も多く、ワイヤーブラの着用時期は中学生1年生(49人)、中学2年生(20人)と中学生になってからの回答が目立った。
 自分のブラジャーのサイズについては、「知っている」子が71・2%いる一方、約3割の子どもが「知らない」と回答。どのようにしてサイズを測ったかについては、「店で測る」が最も多く31・4%、次いで「自分で測る」20・3%、「親に測ってもらう」16・9%の順。「サイズを知らない」と同様に「測ったことがない」子も3割近くに上った。
 ブラジャーの着け心地について聞いたところ、ノンワイヤーブラでは「締め付けられる感じがする」「ピッタリ感がない」「運動したときにずれてくる」「形が合わない」、ワイヤーブラでは「胸の端にワイヤーがあたって痛い時がある」「ワイヤーが脇にくい込む感じ感じで痛い」「ちょっと苦しい」などの不満点が挙げられている。自分のサイズを知らずに、体型に合っていないブラジャーを着け不具合を感じている子が少なからずいることがうかがえる。  
 □生理用ショーツ
 生理用ショーツの着用開始時期は初経開始時と重なり、小学6年生、5年生、中学1年生の順でそれぞれ約3割を占める。使用している種類については、スタンダードタイプが67・8%と最も多く、「ポケット付き」「ナイト用」がそれぞれ約3割。「ウイング付き対応」や「ボクサータイプ」などの回答もそれぞれ1割の子が回答しており、新しいデザインも取り入れられているようだ。
 また女子の体にとって下半身の冷えは生理痛の原因などにもつながり注意したいところだが、ショーツ(パンツ)の上にスパッツなど重ね履きしている子は全体の73%。毛糸のパンツを着用している子どもは全体のうちわずか12%であった。  
 □下着に関する悩み
 下着に関する悩み・質問の項目では、「ブラジャーのサイズはどうやって決めるの?」「どんな下着があるのか知りたい」「中学生になったらブラジャーを着けないといけないの」といった素朴な疑問から「みんながいくつくらいから着けているのか知りたい」「同級生がどんな下着を着けてるのか知りたい」といった友達の様子を気にする声などが多く寄せられた。


 養護教諭
   女子ジュニア用下着の指導経験18%

 □子どもからの相談
 下着に関する子どもからの相談が「ある」と回答した養護教諭は全体のわずか13%。9割近くが「あまりない」「ない」と回答。
 「ある」と回答した養護教諭のうち、相談があった場合の対応として多くが個別で相談に応じる形をとっていると回答。「自分の経験から話している」といった養護教諭も。
 □女子ジュニア用下着の知識
 女子ジュニア用下着に関する知識について「十分ある」「ある」が合わせて27%、「あまりない」「ない」が65%を占めた。一方、「体型に合わせた下着のあり方」について7割の養護教諭が高い関心を示しており、「成長期の女子児童生徒用の下着の知識を勉強してみたい」との回答は「とても思う」5%、「思う」66%と合わせて7割に上った。
 □下着をテーマに指導
 「下着をテーマに指導したことがある」と回答した養護教諭は全体の半数。多くが、下着の役目や保温と吸収、汗の始末などについて男女共通のテーマとして指導しているケースで、「女子のジュニア用下着について指導したことがある」と回答したのは全体の18%。初経指導時や宿泊行事前の指導などで行ったという回答が見られたが、大半の養護教諭は女子ジュニア用下着についての指導経験はないようだ。
 「女子ジュニア用下着について指導できるか」の設問には「できる」が16%、「あまりできない」「できない」が8割で自信を持って女子ジュニア用下着について指導できる養護教諭は少ないようである。
 今後の女子ジュニア用下着指導のあり方については「相談があった場合に個別対応」と回答した養護教諭が最も多く76%、「全体指導が必要」16%を大きく上回った。
 一方、「学校での指導は必要ではない」との考えも若干であるが3%の回答があり、「家庭でやるべき指導かと思う」「学校現場ではそこまで取り上げる時間もなければ必要もないと感じています」などの意見も寄せられた。
 養護教諭によって考え方、対応は様々であるが、「全体指導までは難しいが、相談があった場合に個別に対応し、正確な情報を伝えていきたい」と考えている養護教諭が多いことが、今回の調査を通じて明らかとなった。


 保護者
   学校での指導4割が要望

 □子どもとの対話
 「下着について子どもと話をしたり、相談を受けることがありますか」の問いに、「よくある」「ある」と回答している保護者は24%と少なく、「あまりない」「ない」が合わせて76%。
 「子どもは下着の情報をどこから得ているか」の設問には、友達35%、雑誌28%と多く、母親と回答した保護者はわずか15%。子どもの調査では、母親を最大の情報源としているが、それを認識していない保護者が多いのではないかと思われる。
 □下着の選択
 子どもの下着を選ぶ際は、「相談して決める」43%、「子どもに選ばせる」31%、「親が選ぶ」25%と「相談して決める」場合が若干多く、少なからず子どもの意見が尊重されているといえる。
 購入する場合に子どものバストサイズを測っている保護者は全体のわずか35%、6割以上が「測っていない」と回答しており、また試着に至ってはさらに少なく、「試着させている」21%、「試着させていない」79%という結果に。子どもの正確なサイズを把握せず、体型に合った下着の購入が行われていない様子がうかがえる。
 ジュニア用ブラジャーに関する知識、情報については「十分ある」「ある」との回答が合わせて1割。約9割が「あまりない」「ない」と回答。一方、「子どもの下着と健康への影響」については、8割以上の保護者が「とてもある」「ある」と回答しており、強い関心を示している。
 子どもの下着について知りたいこと、わからないことでは、「どのくらいの年齢まで親が下着を選んでやったらよいか」「ブラジャーを着けさせる時期やサイズの決め方について」「どのくらいのペースで成長していくのか」といった様々な質問が寄せられた。その中でも、「ワイヤーとワイヤーなしでは子どもにとってどちらがよいのか」「ワイヤーは子どもの成長に悪くないか」「ワイヤーブラには適正年齢はあるのですか」といったワイヤーブラジャーを着用することへの心配の声が目立った。
 □学校での下着指導
 学校での下着指導については、「ブラジャーの着用や選び方を教えて欲しいか」との設問に4割が「とても思う」「思う」と回答。それに対し「学校でブラジャーサイズを測る機会があればいいか」については、「とても思う」「思う」は合わせて28%。
 学校での下着指導のイメージがわかないからか、また家庭で教えるべきものという意識が強いからか、学校での指導を望む声はそれほど高くはなかった。


(2003年2月8日号)