教育家庭新聞・健康号
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私立校の学校給食
短大の学食と両立
東京文化中学校高等学校

セルフサービスはコミュニケーションの場
セルフサービスはコミュニケーションの場
 文部科学省学校健康教育課によると、全国の私立小学校で学校給食を実施しているところは、179校中81校(45・3%)、同中学校では709校中94校(13・3%)となっている。だが、義務教育でない高校となるとそのデータはなく、都内でもその数は2、3校と少ない。

 その一つ、東京文化中学校高等学校は、中学校で昭和33年から実施、高校でもと保護者の要望が多くなり、2年前より中学1年〜高校2年生でスクールランチとして、完全学校給食を実施している。(高校3年生は選択授業の関係で食券利用かお弁当)

 同校の特徴は、校内のカフェテリアで、短大生向けの学食営業と中高生の給食を両立させているところ。12時30分に4時間目の授業が終わる中高生がカフェテリアに集まる頃には、短大生は13時からの講義に合わせて食事を終えている。これは、調理する側の負担は大きくなるが、その中、カフェのスタッフは旬の食材を取り入れたりし、安全・栄養価・おいしさを大切に日々、奮闘している。また、同校でも小学生の頃から夜遅くまで塾に通い、夕食が不規則になって食生活が乱れるケースや、魚など食わず嫌いのまま中高生になった子どももいるのが現実で、スタッフは食わず嫌いや残菜を少なくするよう色合いやメニューに食べてもらう工夫を凝らし、セルフサービスで配膳カウンターに並ぶ生徒や食べ終わった食器を片付ける生徒に積極的に声をかけるようコミュニケーションづくりにも心がけている。

 高校から同校に通う生徒に話をきくと、「量もおいしさも中学校の時の給食より上」「土曜日にも給食があるのはうれしい」と好評で、共働きの保護者は特に助かっているという。

 そして、もう一つの特徴は、カフェのスタッフが同校に併設されている東京文化短期大学生活学科食物栄養専攻の卒業生。栄養士の新屋先生は、「少しでも多く食べてくれるような工夫や豊富なメニュー、そして、偏食の改善やマナーの向上にも尽くしたい」と、今後の抱負を語る。


【2005年6月11日号】


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