徹底した衛生管理で「安心」を
ひと袋にノウハウがつまっている

 見学後は、工場長との懇談の時間。工場には窓がなく、圧力も若干高く設定しており、外部から虫や埃が入ってこないよう、空気が絶えず外に出ていくような仕組みを作っている。また月に1回は大規模な掃除を行い、3か月に1回は機械を止め、洗浄と殺虫を行う。万が一製造ラインに異物混入の可能性が生じた場合は、全てのラインを止め点検される。
 徹底した衛生管理の様子に、見学者からは異口同音に「こんなに気を遣って管理・製造されているなんて驚いた」という感想が漏れた。
 梱包にも気を遣う。紫外線や酸素を99%透過しないよう、アルミフィルムは厚いものを使う。ポテトチップスは密閉した状態で窒素充填を行うので、ビタミンなど栄養素は極めて失われにくくなっている。なお、えびせんの場合、油に熱がかかっておらず劣化しにくいため、窒素充填は行っていない。

 カルビーシリアルカンパニーの工場長・倉持さんは「一袋100円程度の菓子だけれど、この一袋には語り尽くせないノウハウが詰まっている。その流れを断ち切ることなく、脈々とつなげていかなければならない」と話す。
 栄養士からの「最近、輸入のコーンなどは遺伝子組み換え食品が多いが」という質問には、「遺伝子組み換えをしていない畑と契約しており、定期的にサンプリング、検査を行っている」と回答した。



【2003年8月9日号】