教育家庭新聞・健康号
TOP健康号新人養護教諭の悩みに応えるQ&A   バックナンバー
先輩アドバイザーが
新人養護教諭の悩みに応える
「先輩、どうしたらいいの?」
アドバイザー/東京都立九段高校・竹下君枝先生

Q 1年生が入学して1カ月が過ぎようとしています。本校は電車通学者が多く、出身校もまちまちで、なかなか友達をつくれない生徒も近年では特に見受けられ、なかには学校を休みがちになる子もいます。こういう場合、なにかよい対処の仕方はあるのでしょうか?


A 最近は初対面の人とコミュニケーションをとることが苦手な子ども達が多いようで、『高校への初期適応失敗による不登校』が増えています。

 私も以前、5月に入った時、「入学してからまだ誰とも話していない」と保健室へ相談に来た生徒がいました。高等学校の場合、中学から一人で入学してくる生徒もいますので、このようなケースもおきてしまいます。私は次の年からの対策として、新入生のオリエンテーションの時、保健部の説明の時間を利用して、生徒の自己紹介を行っています。各クラスを2列に座らせ、隣同士を一組にして、お互いに自己紹介をするよう指示します。その場で「私の名前は〇〇です」「私の趣味は〇〇です」などと15項目程度の例文を書いたプリントを配り、上から読んでいくだけで自己紹介が出来るようにしていますが、あくまで参考ということで生徒達には自由に会話してもらいます。時間はそれぞれ2分ずつと決めています。すると、ほとんどの生徒は盛り上がったところで終わりになってしまって、まだ話し足りません。ここがポイントなのです。「続きは教室でね」と、前もって担任には学年を通じて教室でも相手を換えて続けてもらうように頼んでおくと、同級生と会話がない生徒が出る心配もないし、クラスに入りそびれて不登校になる子どもも防げます。

 これは新1年生だけでなく、少し形を変えれば他の学年のクラス替えの時に馴染めない生徒が出てくる場合の対策としても、有効だとおもいます。

※当コーナーへの質問を募集しています。
 また、この紙面に関するご意見・ご感想も健康号編集部まで。
 kenko@kknews.co.jp


【2005年5月21日号】

新聞購読のご案内