教育家庭新聞・健康号
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先輩アドバイザーが
新人養護教諭の悩みに応える
「先輩、どうしたらいいの?」
アドバイザー/東京都立九段高校・竹下君枝先生

Q 私の勤務する学校では体育祭になるとけがが絶えず、毎年その時期になると忙しくて憂鬱になります。なにか良い方法はないでしょうか。


A 体育祭でけがをするのは当たり前のように思っている人も多いようですが、そんなことはありません。ある特定のけがや病気が多いときは、必ず何か原因があるはずです。その内容を分析・検討し、課題をきちんと把握することが大切です。例えば、擦過傷が多い時にその原因を調べると、ハーフパンツ・Tシャツで綱引きをやって露出していた腕や足をこすっていることがあります。それを課題として取り上げ、ハーフパンツ・Tシャツでなくジャージを着るという指導につなげていくと擦過傷を予防することができます。

 九段高校では私の赴任当初、体育祭が近づくと足に肉刺(まめ)をつくって保健室にやってくる生徒が多くいました。原因を調べると、裸足でリレーの練習をしていたのです。現代の子どもたちの足では肉刺ができるのは当然で、体育祭当日には、それが破れて走れない生徒も出てしまいます。私は体育祭の実行委員会や各団(チーム)に対して靴を履くよう働きかけました。その結果、肉刺ができる生徒はいなくなり、今では体育祭で靴をはかない団(チーム)は減点対象にまでなりました。恒例になっていることを変えるのは大変ですが、生徒のために養護教諭として何をすべきかを考え、けがや病気の予防に努めましょう。

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【2005年6月11日号】

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