教育家庭新聞・健康号
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先輩アドバイザーが
新人養護教諭の悩みに応える
「先輩、どうしたらいいの?」
アドバイザー/東京都立九段高校・竹下君枝先生

Q 私の学校には精神科にかかっている生徒がいます。けれど、接し方がわからず、その子の主治医に対応などを聞きたいのですが、主治医との連携はどのようにしてとればいいのでしょうか?


A 主治医と連携がとれることは望ましいのですが、基本的に医師には守秘義務があり、養護教諭が直接、その生徒の状況や対応の仕方について主治医に聞いても一切教えてもらえません。でも、校長名で文書として依頼すると、回答を得られる場合があります。

 たとえば、宿泊行事や体育的行事の時など、その生徒が参加できるかどうか、参加するとしたら、どういうことに気をつければよいかなどの具体的な質問項目を一覧にし、各項目毎に「可」・「不可」と記入する欄を設けて「御指導ください」という形で御願いする方法もあります。

 しかし、その前に大事なことは校内で情報を共有して対応することです。管理職や担任、養護教諭などの関係者で『ケース会議』を開き、担任を中心にして考えたほうが良いでしょう。精神科にかかっているとわかっている訳ですから、担任を通して保護者の意見を参考にしたり、必要があれば、診断書を提出してもらうと病名や治療の状況が明らかになります。その上でさらに詳しい情報が必要な場合、主治医に連絡することを考えたほうが良いと思いますが、まず、校内でできることから取組んでみてください。

 また、子どもの精神面について相談したい時、地域にはどのような相談機関や医療機関があり、どう利用すればよいかなどの情報も収集しておきましょう。

 公共の機関としては、教育相談センターや児童相談所、精神保健福祉センターなどがありますが、各機関の一覧を入手して、あらかじめ把握しておいたほうが便利です。

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【2005年9月10日号】

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