教育家庭新聞・健康号
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先輩アドバイザーが
新人養護教諭の悩みに応える
「先輩、どうしたらいいの?」  オープンな関係が信頼へ
アドバイザー/東京都中野区立谷戸小学校・井上真理子先生

Q 本校の前任養護教諭に引継ぎの際「自由にやっていいのよ」と言われました。しかし、新採用の私にとっては初めてのことばかりなので、自由の基準がわからず戸惑ってしまいました。まず何をするべきなのでしょうか?


A 「自由」というのは、工夫してやっていいのよというメッセージでもあるのです。

 「自由」といっても、児童・担任・保護者に保健室のマナーやルールを徹底させた方がいいですね。私は「保健室の利用の仕方(共通理解事項)」を配布しています。特に、保健室に来る際には担任の先生に状況を伝えることを徹底させています。小学校の担任は父・母のような存在であり、児童の様子を把握しておくことが非常に大切なことです。だからこそ、特に新任養護教諭は、担任と常にオープンに情報を共有し、信頼関係を築くことが大切だと思います。

 一度に多数の来室者がいる場合重要なことは、「症状の優先順位」をつけることです。「保健室は命を守るお部屋」と児童達にも理解してもらい、「保健室に行ったのに…」とならないよう症状の軽い子には「昼休みにもう1度来てね」と一言声をかけて下さいね。朝は保護者から休みの連絡が入るなど生の情報が多く入る時間ですので、9時30分くらいまでは職員室に待機しています。本校は「学校はお勉強するところ。1時間目の授業に出られないような状態で登校しない」ということが保護者に理解されているので可能なのです。

 若い先生にとって頭を悩ませるのは各種健診ですよね。学校医さんによっては、対応の仕方が全く違いますから、並び方・教室などきちんと前任者に確認することが必要です。これは、引き継ぐ側の配慮も大切ですから、私は机の配置まで書いて「引継ぎ簿」ですべてが分かるようにしています。

 最後に、管理職には、「ホウレンソウ」として、報告・連絡・相談を心がけています。保健室からほとんど出ないで他の教師とのかかわりが少ない場合、連携がとりにくくなります。若い人は叶えたいことがたくさんあると思いますが、時間をかけて説明し、指導のプロである担任や管理職に相談しながら想いを叶えてくださいね。

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【2006年5月20日号】

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