僕の私の すべての教室で

  学校給食センター

地域の食情報発信基地に
子どもとチャット更新も

島根・出雲市立学校給食センター


 昨年7月、最新の設備を備えたドライシステム調理場として移転新築した出雲市立学校給食センター。同センターでは、平成10年度から3か年間パソコンを活用した食に関する指導の研究指定(文科省)を受け、ホームページの開設やインターネットを活用した食の指導など多くの取り組みを実践してきている。
 給食センターに設置されているパソコンは全部で7台。その7台すべてがインターネットに接続されており、ホームページを通した情報発信や情報収集、学校の子どもや保護者、地域の人々との交流に活用されている。市内の全小中学校をつなぐ「いずもオロチネット」にも接続されており、さらに「出雲イントラネット」が整備されているので学校の子どもだけでなく、保護者、地域の人々ともネットワークを通じて交流が図られている。
 ホームページ上には給食の献立紹介だけでなく、学校栄養職員が行っている「食に関する指導」についての情報や、好評だった献立のレシピ紹介など幅広い情報を掲載。また相談コーナーとして「栄養相談ホットライン」が設けられており、子ども、保護者から毎日のように相談が寄せられている。「美味しかった給食の作り方を教えてというものから、ダイエットの悩み、スポーツに適した食事についてなど食に関する幅広い質問があります。就学前のお母さんから食物アレルギーについての対応を聞かれたり、小児糖尿病に関する質問などもありました」と学校栄養職員の中野志女子さんは話す。相談だけでなく、子どもたちから「今日の給食おいしかったです」といった感謝の言葉もあり、中には普段大人しく話すことが苦手な子どもが家からメールで気持ちを伝えてくることもあるそうだ。
 これらのメールに対し栄養に関する相談については学校栄養職員が対応、子どもたちからの給食に関するメールには調理員自らが返信をするなど、職員全体の取り組みとして定着しているという。
 学校に対する情報発信も積極的に行っており、市内の各校に対して食の指導に活用できるような食材や調理風景等の画像も取り込んだメールを毎日発信している。「毎日学校へ出向くことはできないので、少しでも給食に関する情報を発信し、学校側で活用してもらえれば」と中野さん。また給食委員の子どもたちとチャット機能を使ってタイムリーで交信を行うこともある。給食の残菜について意見交換をするなど、顔は見えないが、ネットを通じてよい交流の場になっているということだ。
 学校給食センターのホームページは少しずつ増えてきたが、同給食センターのような取り組みを行っているところは全国でも数少ない。今後は県内外の給食センターともインターネットを通じて情報交換などを行っていけたらと中野さんは話す。
 また食材の発注作業なども現在は電話やファックスを使って業者と連絡をとっているが、今後それらの作業もネットワークを活用することができればより効率的な作業が行われることになっていくだろう。