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学校では習わない・教えないノート術
マインドマップ
 
 
マインドマップ。聞きなれない人もいるかもしれない。ノート術の一種で、トニー・ブサンが開発したもの。

一般的なノート術は、事実を羅列して書く。たとえば、リストタイプのノート法は、

・朝、○○先生と運動会の流れの打ち合わせ
・授業前自習時間に宿題のチェックとコメント
・○○さんの家に連絡。

といった感じになる。一般的なイメージのノート術だ。マインドマップは、こうしたノートとまったく異なる。

どんな感じのメモになるか。図版を使って、うまくまとめているページがあるので、参照のほど。実際のマインドマップを見ることができる。

マインドマップとは
http://mindmap.jp/000093.html


図を見ればわかるように、中央から放射状に枝上のものが広がっている。これは人間の思考法に近いといわれていて、膨大な知識量を、この紙1枚の中に収めることが可能になっている。

「?」

と思った人もいるかもしれない。上記の参照ページのマインドマップ実物を見ても、それほど大量のことがわかるわけではない。「マインドマップってこんな感じ?」という、漠然としたものが頭の中をよぎるだけだ。

実は、マインドマップでは、その「漠然としたものが頭の中をよぎる」という状態が大切となる。なぜかというと、マインドマップとは「人に正確に伝えるためのノート」ではなく「自分が思い出すためのノート」だからだ。

何かを思い出したくなったときに、その事柄に関連することを思い出して、順番に記憶を引き出した経験はないだろうか? たとえば、聖徳太子の業績のひとつ、十七条憲法の中身を思い出したいとき。彼の思想が仏教に基づくところなどから「篤く三宝を敬え」という部分が引き出せたりする。

マインドマップが重視するのは、この「引き出す」力だ。たしかに紙の中に記されている情報量は少ない。上記URLの図を見ても、絵がいろいろと描いてあるだけで、文字数は少ない。しかし、この図のカラフルさと、絵などの情報、そして一覧性とで、すでに脳の中に収められている記憶を、上手く引っ張ってくる。この力を重視しているのだ。

そして、そうして引っ張ってこられるまで含めて「膨大な記憶量」があると考える。だから、マインドマップは「人に正確に伝えるためのノート」ではない。「自分が思い出すためのノート」だということになる。

描き方は、
http://mindmap.jp/000066.html

を参照のこと。マインドマップを描くためのコツは、ここに書かれているもののほかにも、いくつかある。


1:シンプルな言葉で

使う言葉は、単語か、せいぜい2言くらいのシンプルさで。長い言葉で説明したくなったら、さらに枝を伸ばして、そこに言葉を書いていく。

2:なるべく大きな紙を使う

大きくて、大胆に大きく書けるほうが、より強い記憶の想起を起こすことができる。また、マインドマップは発想法としても使える。不思議なことに、人間の発想は、紙の大きさで決まってしまう。ノートとして使う時でも、発想法として使う時でも、大きな紙で。

3:カラフルに

カラフルなペンで色とりどりに書いた方が、後々イメージに残り、記憶を引き出しやすくなる。

4:「自分だけにわかればよい」と割り切る

「自分が思い出すためのノート」であることを忘れずに、頭の中にある情報は省略して、大胆に描く。


ただし、マインドマップが、いくら「自分が思い出すためのノート」だとはいっても、特に独りよがりで、発想頼りのノート術というわけではない。マインドマップの基本形は、ツリー構造と呼ばれるもの。論理的思考をする際の最もシンプルな形のひとつなのだ。

XML用語事典 [木構造]
http://www.atmarkit.co.jp/aig/01xml/tree.html

マインドマップが普通のノートと異なるところは、「万人がわかる」ではなくて、「自分がわかる」というところに注力しているところ。なので、大まかな書き方はあるものの、その描かれる内容は自由。

同じ本を読んだ人たちに、その本の中で大切だと思ったところをマインドマップで描き出してもらうと、マインドマップ結構違う単語がピックアップされていたりする。それでいて、実際に口頭で本の内容を説明してもらうと、同じように理解していることも珍しくない。人によって、それぞれ違う人生経験を積み上げてきているので、それでかまわないのだ。最低、自分の大切だと思ったことは、書き出してメモができ、理解もできているわけなのだから。

複数の人に同じ主題でマインドマップを描いてもらい、おたがい比べるというのも楽しいアクティビティだ。お互いの考え方や人生の違いというのを、まざまざと見せ付けられることになる。世の中には色々な人がいるのだね、と理解できる。

おまけ
PC操作が得意な人は、PC上でマインドマップを描くというのもあり。参考ページで使われていたのは、「マインドマネージャーhttp://www.mindjet.com/)」(有料)。

似たような機能を持つフリーソフトウェアとしては「FreeMindhttp://drikin.com/freemind/)」。やろうと思えば、パワーポイントで描くこともできる。(榊原