水みらい21児童シンポジウム
水を守るキッズサミット開催


 未来の水を育て守る−−小学生が水環境の大切さを考える「第4回つくば市水みらい21児童シンポジウム」が10月10日、つくば国際会議場(エポカルつくば)で開催された。
 これは、平成7年の世界湖沼会議で決められた「地域にあった環境教育の推進」にもとづいて毎年開かれているもので、今回のシンポジウムには、つくば市内35校の小学校から1627人の児童が参加。つくば国際会議場の大ホールと、2階および3階中ホールを会場に、水環境に関わる催しが行われた。
 大ホールでは、開会および閉会セレモニーをはじめ、音楽家・神津善行氏、中村メイコ氏、神津かんな氏らが出演してのトークショーなどが繰り広げられた。2階中ホールでは、会場と秋田県六郷小学校をテレビ会議システムで結び、水環境づくりへの取り組みの紹介や、意見交換が行われた。
 3階中ホールでは、環境カウンセラー・秋山昌範氏がコーディネータとなり、「水を守るキッズサミット」が開催された。まず、秋山氏は会場の子どもたちに向かって「自動販売機で買う飲み物は何?」と質問。子どもたちはコーラ、ジュース、ウーロン茶、スポーツドリンクと次々と答えたものの、ミネラルウォーターを買っている子どもはひとりもいない。
 そこで、秋山氏は「お金を出して水を買うのは、もったいない気がするね。水はただと思っているんじゃないかな。でも、きれいな水を飲むためには、お金と手間がかかっているんだよ」と話し、子どもたちの水に対する意識を高めた。
 続いて、10人ほどの子どもたちが夏休みに行った水質調査結果について、スマートボードを使い発表。市内・霞ケ浦の透明度を測定している写真をスマートボードに映しながら、「40センチくらいしか透明度がなく、茶色く濁っていた。水を汲むと、微生物がたくさんいる。栄養が豊富なことのあらわれで、水が汚れている証拠」と、水質の実態を報告した。
 また、市内・牛久沼の水質調査についても「昔は水遊びや生活用水に使えるほどきれいだったが、今は浅い沼なのに汚れて底が見えない。ペーハー値を測るとアルカリ性を示している。生活廃水の洗剤が原因ではないか」と、汚れている現状が発表された。
 筑波山麓で行った自然観察についても報告され、「山麓の川は澄んできれい。森の木が水を浄化している。水はどこで汚くなったのか」と、疑問を投げかけた。
 最後に、秋山氏から水環境を守るためには、水のリサイクルが大切だとの説明がなされた。



(2001年11月3日号より)