文部科学省13年度予算
IT事業引き続き実施

 文部科学省の平成13年度予算は、一般会計が6兆5783億9400万円で対前年比1・0%増、国立学校特別会計が2兆7427億7200万円で対前年比1・5%増となった。平成12年度予算でミレニアムプロジェクトにより生まれた校内LANの整備事業やネットワーク提供型コンテンツ開発事業、学習資源デジタル化・ネットワーク化推進事業、教育情報ナショナルセンター機能の整備などは、引き続き行われ、新たにIT授業や20人授業のための普通教室、特別教室に続く第3の学習スペースとしての「新世代型学習空間」の整備事業、国立科学博物館バーチャルミュージアム推進事業、専修学校ITフロンティア教育推進事業などが行われる。

 「新世代型学習空間」の整備事業(59億200万円。新規)は、小中学校が学年単位で、情報機器を備えた部屋で、小人数指導やグループ別学習に柔軟に対応できるスペースを整備するもの。文部科学省では、この部屋を「第3の学習スペース」と位置づけ、移動間仕切りにより自由な空間構成が可能、情報コンセントや無線ハブ、プロジェクタなど情報対応仕様を備えた教室をイメージしている。教育のねらい・目的に応じて、自由に学習スペースを変えられる学習空間の創出を意図している。
 補助対象は公立小・中学校で、新増築は経費の2分の1、改築・大規模改造は経費の3分の1を補助する。なお、この新世代型学習空間の整備のため、平成13年度から国庫補助基準面積の改定などが行われる。
 なお、文部科学省は第7次公立義務教育諸学校教員定数改善計画の中で、20人授業などきめ細かな指導を学校が行えるように小学校で1720人、中学校で2780人の改善を図っている。
 国立科学博物館バーチャルミュージアム推進事業(1億円。新規)は、インターネット等を通じて、国立科学博物館の持つT知Uを学習者に提供するもの。その保有する実物・標本資料、生態写真などをデジタルアーカイブ化して、「実物指向コンテンツ」(5本)として構築。それをインターネット等の情報通信技術を通じて家庭や生涯学習施設に提供するとともに、学校の「総合的な学習の時間」で活用できる「学習資源」として提供していく。
 専修学校ITフロンティア教育推進事業(4億2500万円。新規)は、情報化時代の要請に応える人材育成を図るため、専修学校をIT人材育成の開発拠点として体制整備を行うもの。事業は1専修学校ITスペシャリスト養成推進事業2専修学校IT起業家育成推進事業、の2つの事業からなり、専修学校ITスペシャリスト養成推進事業は、企業の第一線で活躍する社会人を対象にした教育カリキュラム開発などを実施する。対象は、20校。単価1500万円。専修学校IT起業家育成推進事業は、新産業創出の担い手となる起業家精神・経営マインドを持つ人材の育成のため、インターンシッププログラムの開発などを行う。9地域を対象。単価1384万円。
 12年度に引き続いて行われる校内LANの整備は13年度は約1600校を対象(67億5000万円)、ネットワーク提供型コンテンツ開発事業(2億1600万円)は前年度とおなじく開発コンテンツ数は10件程度。
 教育情報ナショナルセンター機能の整備は、1月の中央省庁の再編にあわせて新組織に改組された国立教育政策研究所(旧・国立教育研究所)に国立教育会館の研究が引き継がれ、試験研究用ポータルサイトの運用や分散型のデータ収集・提供システムなどの開発が行われる。
 また、私立高等学校などについてマルチメディア機器の購入費の2分の1を補助する私立高等学校等マルチメディア教育環境整備モデル事業(9億2500万円)は、対前年度比37%の大幅増。積算数は74校、単価2500万円。

(2001年2月3日号より)