IT施策を解説 省庁の担当者パネラーに
  
第17回情報教育政策セミナー

 毎年、関係省庁の4省の担当課長などがパネラーとなり行われている第17回情報教育政策セミナー(主催・日本教育工学振興会)が、「次世代へのIT・教育の情報化」をテーマに3月15日に開催された。
 まず、宮島会長が、現在の社会システムを分析して、「自由化、民主化は、後戻りできない『帰らざる河』」と米国の映画の名前に例えながら、「多様性をうまく収容できる社会システムになる必要がある」と言及した。
 続いて、コーディネータの坂元昂・メディア教育開発センター所長がIT基本法や教育用コンテンツ開発事業など、この1年間の教育の情報化の流れを整理した後、トップを切って、文部科学省の尾崎春樹・学習情報政策課長が講演。文部科学省の種々の教育の情報化施策について説明しながら、教育ソフト約500種を紹介している「学びネット」に自由な書き込みのページや先生とソフトメーカーの交流のページを作りたい、といった考えを示した。また、経済産業省の村上敬亮・情報処理振興課課長補佐は、学びの形態を変えるe−Learningが伸展しているとして、校内とは異なる能力を持った先生のもとで勉強できる可能性を持つと位置づけた。
 総務省の吉崎正弘・情報通信利用促進課長(旧郵政省)は、回線の高度化、通信料金の低廉化、セキュリティ・フィルタリングなどの技術開発が、インターネット活用促進の課題としながら、昨今の高速接続サービスの低価格化により、「サイバースペースがリアルスペースに少し近づいてきた」と示唆。総務省の海老原諭・地域情報政策室課長補佐(旧自治省)は、行政の情報化について、3300自治体を専用線でネットワーク接続し、それを国の霞が関WANに接続する予定があるこを披露した。実現すると、国や地方公共団体のデータベースの情報が共有される。

(2001年4月7日号より)