新しい教科書を拝見!
  情報関連の記述は? 各教科に盛り込む


平成14年度から使用の小学校及び中学校用教科用図書の展示が財団法人教科書研究センターではじまった。小学校用は、155点の検定申請があり153点が合格。中学校用は、105点全点が合格。同センター5階の展示室には、各教科・教科書会社の検定申請図書(白表紙本)、検定意見のついたか所を修正し合格した見本本、検定意見書が置かれ、教師や教育関係者が熱心に見入っていた。各教科でコンピュータやインターネットの利用を促進するために、調べ学習などの1つの手段として教科書の中にも適切に盛り込んでほしいところ。各教科書会社の新教科書を見てみると、小学校では社会、国語に情報関係の記述が多く、中学校では英語に多かった。また、中学校で14年度から必修となる「情報とコンピュータ」の教科書は、従来の「情報基礎」に比べ、約3倍の分量となった。ただ、他教科では積極的に記述されているかといえば、散見される程度で、もっと活用できるのではないか、と思われるか所もあった。同センター(電話03・5606・4311)では、7月末まで展示。また、他の全国7会場でも展示する。

------------------------------------------------------------------------

小学校
〈国語〉
▽「インターネットで調べる」と題したページで、NASAやUNESCO、環境省や文部科学省などのURLを紹介。(教育出版「ひろがる言葉」6年下)
▽ローマ字の導入で「ローマ字は、ワープロやパソコンで日本語を導入するときにも使われています。」と記述。(東京書籍「新しい国語」4年下)
▽「意見に説得力を持たせる工夫をしよう」
 意見を裏付ける具体的な事例や資料の一例としてインターネットをあげている。(光村図書「希望」国語6年下)
〈社会〉
▽「身近にある、いろいろな情報を得たり、送ったりする手段」と題した囲みで、天気予報の情報収集の仕方をテーマにしている。そのなかで新聞やテレビなどとともにパソコンを紹介している。(日本文教出版「産業活動と理解」小学社会5年下)
▽巻末、世界に向けての「私の主張」で、「インターネットで、世界に向けて発信してみよう」とコメント。(日本文教出版「世界の中の日本」小学社会6年下)
〈家庭科〉
▽「これからの家庭生活と社会」の単元で、生活のしかたの一例として「資源を節約する」などとともに「コンピュータで調べる」をイラストであげている。(開隆堂出版「小学・家庭科」)
〈保健科〉
▽「わたしたちの安全なくらしと健康」単元の「調べる」ことの一例としてパソコン検索をあげている。(東京書籍「人間って、すてきだな 新しい保健」5・6年)
〈理科〉
▽「血液のじゅんかん」単元で、血液の運ばれ方を調べる方法の一つとしてコンピュータをあげている。(大日本図書「たのしい理科」6年下)
▽「天気の変化」の単元で、資料としてコンピュータ(インターネット)の利用を紹介している。掲載画像はインターネットによる雲画像やアメダス情報。(大日本図書「たのしい理科」5年上)



中学校
〈英語〉
▽ALTの先生と一緒に、ニューヨークの自分の家の近くの中学校のホームページを見る。「あなたの学校の英語版のホームページを考えてみよう」−−情報の整理の仕方を勉強して、自分の中学校のホームページに載せる英文を完成させていく。(東京書籍「NEW HORIZON English Course1」)
▽実際に12歳の子どもから送られてきた4つのメールを読んでみる。イタリア、中国、イギリスなどの子どもたちのメールから、電子メールの良さを知る。(開隆堂出版「SUNSHINE ENGLISH COURSE1」)
▽「インターネットでオーストラリアへ」
 放課後、友達の家で外国のホームページを見るという設定。自分でホームページを作る場合、どんな情報を掲載するか、と問いかける。(学校図書「TOTAL ENGLISH1」
〈理科〉
▽「生活の中のコンピュータの利用について調べよう」
 生活の中でコンピュータやインターネットがどう利用されているかを解説。(学校図書「中学校理科1分野・下」)
▽自由研究のまとめの頁
 「インターネットで調べよう」と題した囲みで、宇宙開発事業団や海洋科学技術センター、国立天文台などのホームページアドレスを紹介。(学校図書「中学校理科1分野・下」)
〈社会〉
▽「日本と世界の結びつき」の単元で、「急速なインターネットの普及」と題した囲みで、インターネット利用者数の増加の状況について解説。(清水書院中学社会地理分野)
▽巻末に「調べ学習に役立つインターネットアドレス」として、国土地理院や自治体国際化協会、気象庁、各国の大使館、47都道府県のホームページアドレスなどを一覧で紹介。(帝国書院中学社会地理分野)



(2001年5月5日号より)