第1回新教科「情報」緊急セミナー開催


 4月20日、早稲田大学国際会議場・井深大記念ホールにて第1回新教科「情報」緊急セミナーが開催された。主催は早稲田大学、教育家庭新聞社、読売新聞社。内田洋行、三菱総合研究所の協力。
 当日は、300人近く参加者が集まり、講演や実践報告に耳を傾けていた。事前アンケート調査によると、参加者の関心は実践報告と教科書採択に集中していたが、事後アンケートによると、課題や興味は十人十色。
 2003年はもうすぐ。各校の実情や教員の「情報」ということばの受け止め方が、新教科「情報」に色濃く反映されそうだ。
 
 
 中村一夫・国立教育政策研究所教育課程調査官および文部科学省教科調査官は「新教科c情報dのねらいと展開」をテーマに講演。
 調査官は、理解しやすい表現で教科「情報」の意義を解説。担当教員に対し「木だけを見るな 森を見よ」と小中高、大学あるいは社会人までの生活の根本に情報教育があると解説。体系的な情報教育の一部に教科「情報」があることを強調した。
 また「情報」は機器の操作だけでなく、あらゆる学問の基盤に位置すると加え、「担当教員に情報教育を任せるというのは、狭い見方。全教科の教員で取り組むべき課題」と参加者を勇気付ける場面も。
 さらに、「数学の楽しさを伝えきれていただろうか」と17年間の教員生活を省み、普通教科「情報」を嫌いにさせてしまったら、教科の存在意義はなくなると、教科のねらいを投げかけた。
 ではどのように指導したらよいか、との観点で指導のポイントを3点あげた。ひとつには生徒の実態把握。ふたつに実習の重視。3つめに情報モラルの育成を重要課題とした。
 そして評価。
 「人間を測る際に、巻尺を使う人もいれば、体重計を用いる人もいる。同様に授業では、観察や製作物、レポートなどあらゆる評価方法が考えられる」と言及。評価に加え、施設設備の確保に関しても、「他教科との連携が成功へ導く」とまとめた。
 後半の質疑応答では、「評価する際に、関心・意欲・態度など4観点があげられましたが、基準は」との問いに、「最終的には各学校で定めるものだが、今夏には、国立教育政策研究所のホームページ上に中間まとめとして、基準を例示する」と見通しを示した。



(2002年5月4日号より)