早稲田大学がCUC実現へ

         国内外の大学と交流 

大学も一つのキャンパス内だけで学習していく時代は終わった−−情報通信ネットワークを活用し、国内・国外の大学教育機関との教育研究交流を進めている早稲田大学は、NTTコムウェアと共同で国際大学間コンソーシアム「Cyber University Consortium(CUC)」を共同運営していくと発表した。
 CUCは、デジタルキャンパスコンソーシアム(DCC)の第2次計画として位置づけられているもので、1999年から3年間行われたDCC(第1次)では、大型のテレビ会議やインターネットを利用して、14か国22大学にのぼる海外協定校との異文化交流共同ゼミの実施、延べ学生約2800人のチュートリアル英語学習プログラムの受講、社会人向け遠隔講座の34科目配信などが行われた。
 その中核の一つとして英語教育を位置づけ、「英語で議論できる能力を育てる」ようと英語教育も抜本的に改善しているが、ネットワークを利用してアジア各国の学生と討論することで、「アジアの学生のレベルの高さが分かり、認識違いを学生が痛感させられる」(白井克彦副総長)という。
 DCCの目標は、「アジア太平洋地域のネットワークの中心の一つになる大学改革」(奥島孝康総長)であり、それにより「アジアにおける研究教育を全体的に行い、アジアの均衡的発展を支えていく」こと。
 2002年4月から2005年3月まで行われるDCC(第2次)では、3年以内に海外協定校100校の加盟を目標にCUCを設立する。海外協定校の目標達成後は国内の大学にも参加を呼びかけ将来的には300校の加盟を目指す。
 こうした情報通信ネットワークを活用した授業・研究に、今後3年間で早稲田大学の学生のかなりの学生が参加するようになるだろう、と大学サイドは予測している。

(2002年6月1日号より)