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TOP教育マルチメディア新聞特集 

情報モラルの学習・指導教材
 インターネットが学校・家庭に広く普及している今日では、情報モラルの指導が欠くことができない。体験的に学べ多数の指導事例・教材が提供されている日本のサイト、情報モラル関連書籍を紹介した。海外の情報モラルサイトは、文部科学省がまとめた報告書「『子どもとインターネット』に関するNPO等についての調査研究−米国を中心に−」(http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/030301.htm)から抽出した。


日本の情報モラルサイト
「“情報モラル”授業サポートセンター」
 掲示板・チャット、WWW、メールなどの小中高校における指導事例約50を、公開しているのが「“情報モラル”授業サポートセンター」。
 平成15年度文部科学省委託事業として、財団法人コンピュータ教育開発センターが作成したもので、総合的な学習の時間や道徳、国語、技術・家庭科、教科「情報」など各教科における情報モラルの実践を、指導風景の動画と簡単な指導略案(1指導目標2指導の流れ3指導上の留意点)で授業の流れを紹介。指導する場合のポイントと授業を新たに組み立てる際のヒントを解説している。

 例えば、「チャットの特質『チャットの危険性』」(指導者 大津市立瀬田小学校・石原一彦教諭)では、指導目標「インターネットのチャットは正しいコミュニケーションだけではなく、匿名性を悪用した危険な情報も含まれることを体験的に理解させる」、指導の流れ1「チャットのやり方を知り、クラスでチャットを行う」2「チャットに全員参加しているのか確認して、教師が故意に悪意ある書き込みを行う」など紹介している。
 http://sweb.nctd.go.jp/support/index.html


「情報モラル研修教材2003」ほか
「情報モラル研修教材2003」
 Webページ、掲示板・チャット、メール、セキュリティ、携帯電話などネット上の危険について、アニメーションで体験的に学ぶコーナー、有害・被害事例をイラストで体験し、かつ指導案や危険なWebページの例示、ワークシートなどを提供するコーナー、シミュレーションでショッピングや掲示板、チャットを疑似体験するコーナー、など。  情報モラルの教育課程への位置づけ方、校内組織・体制の組み方、利用既定の整備方法、なども。独立行政法人教員研修センターが教員研修で使えるように開発。相談窓口も紹介している。
 http://sweb.nctd.go.jp/kyouzai_new/index.htm

「情報モラル・ネットワーク」
 セキュリティ、コミュニケーションのマナー、ネットワーク社会の危険性、コンピュータの使い方について、クリップ動画と音声などで分かりやすくビジュアルに解説しているのが、学校インターネットの情報モラル・ネットワーク部会が制作したコンテンツ。  ネットワーク上で自分ではそれと分からずに人を傷つけてしまうことなど、ツールごとに解説。子ども用と教師用がある。
 http://www.menet.ed.jp/edu/moral-net/

「ネット社会の歩き方」
 財団法人コンピュータ教育開発センターのプロジェクトで開発されたのが、「ネット社会の歩き方」(2000年、2001年)。  ネット上で起こる危険性についてアニメーションで解説した「学習ユニット教材」や、オンラインショッピングを模擬体験し注意事項を身につける「電脳商店街」教材、34に及ぶ指導事例集やワークシート集など盛りだくさん。
 http://www.net-walking.net/

海外の情報モラルサイト
Net-Mom
 図書館司書の資格を持つJeanAPolly氏が家族の協力を得て個人で運営しいているサイト。
 家族向けインターネット情報誌として全米1位の人気を誇るYellowPagesを6年間執筆。「インターネット・サーフィン」という言葉は氏が生み出した。
 個人で150万サイトを検証。そして、特にお薦めの100サイトの内容をWebで公開している。また、「家族にとってインターネットは必要か」「サイトの選び方」「インターネットで最も危険な落とし穴」「危険から身を守るには」など10種類のテーマでインターネットと子ども、家族に関する様々な情報を提供している。
 http://www.netmom.com


Get Net Wise
 1997年に設立されたInternetEducationFoundationのプロジェクトの一つ。「オンライン安全ガイド」、「家族向けツール」、「子ども向けWebサイト」、「トラブルを知らせる」などのページがある。
 「オンライン安全ガイド」では、Kids、teens、家族用の3つに分けて、インターネット上で安全を確保するための留意事項を簡潔にまとめている。さらに詳細な「年齢ごとの安全」(4〜7歳、7〜10歳など)、チャット・メールなどツールの「使い方ごとの危険」も解説。

 「家族向けツール」では、子ども用ブラウザ、個人情報などを発信させないソフト、非合法的な情報を受信しないソフト、などを紹介。また、「トラブルを知らせる」では、トラブルに遭遇したときの対処方法を具体的に紹介。
 http://www.getnetwise.org/

Internet Contert Rating Association
 米国のRASC、英国のIWF、ドイツのECOの3組織により、1999年に英国に設立されたNPO。
 目的は1潜在的に有害な素材から子どもを守ること2インターネット上の自由な会話を守ること。民主的、透明性の観点から自主規制がベストという考えで、セルフ・ラベリング・ソフトとレイテリング・システムを開発している。そして、コンテンツ提供者自身がICRAのシステムを利用してラベリングする。

 また、親がICRAの次の機能を利用し、子どものインターネット・アクセスを制御することができる。
・ICRAラベルをフィルタリングする機能 
・ユーザー設定機能・他団体が作成したテンプレート利用機能・チャットや電子メールを含む様々なオンラインサービスを遮断する機能、など。
 http://www.icra.org/


American Library Association
 ALA:米国図書館協会は、1876年に設立された世界最古の図書館協会。
 Web上で子どものインターネット利用にあたって保護者が留意すべき事項、子どもの安全を確保するためのルール、推薦サイトのリストなどを提供している。司書は子ども・親のインターネット利用のアドバイザーでもある。
 米国では、司書になるためにリサーチ・スキルや情報の質に関する判断についても学習するという。
 http://www.ala.org/


LiverPool Public Library
 リバプール公立図書館は、利用者がインターネット・アクセスできる全米初の地域図書館として知られる。子ども用学習室に7台、大人用学習室に14台のコンピュータがあり、中学生にWebページの作成方法を教えている。また、利用者は独自の電子メール・アカウントも持つことができる。
 インターネット利用の目的などを定めた「インターネット・ポリシー」を採用している。Webには子ども向けサイト、親向けサイトがあり、注意事項を示している。
 http://www.lpl.org/

情報モラルを学ぶ書籍・指導事例集
「インターネット・携帯時代の危険な遊び」
「インターネット・携帯時代の危険な遊び」−中学・高校編−(2004年4月)は、ごく普通の子どもたちが情報社会のワナにはまっていく過程を描いたもの。10件のケーススタディを注意点、問題点、関係する法律などを示しながら分かりやすく解説。事例は、「携帯メールと友情」、「『無料』という名のワナ」、「掲示板で爆破予告!?」、「パスワードを使ったのは誰だ!」など。送料実費。1冊525円(税込み)。

「南先生とヨシコ先生の情報モラルQ&A」(2003年5月)は、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会のホームページASKACCSに寄せられた相談の中から、情報モラル教育、著作権教育など、学校・教育に関わる問題を集めた。「授業でホームページを使いたい」「校歌をホームページで流したい」「情報モラルはどう教えればいいのか」など43に及ぶQ&A。
 送料実費。1冊525円(税込み)。
 いずれも書店売りはしていない。申し込みは、コンピュータソフトウェア著作権協会へ。
 問合せ電話03-5976-5175。


「情報論理学入門」
 編者は情報モラル教材開発の各種委員会の委員長を務める越智貢氏。
 情報モラルは技術・家庭科の「情報とコンピュータ」の中でも一部学習されている。しかし、それだけでは不十分である。
 電子ネットワークは日々肥大化している。そして、日常世界の問題も変容している。その変容する日常世界の問題が、容易に電子ネットワークの中に浸透し、「実は、新たな問題が人知れず産み出されている」という。

 本書は、変容しつつある情報モラルと環境の変化を描こうとしたもの。序章で、情報モラルの変容傾向を考察し、あわせてその危険性を指摘。
1「情報倫理学の基礎」では、個人情報保護、著作権保護、情報セキュリティ確保の心得と法的問題を解説。
2「情報倫理学の新たな課題」で、携帯電話を例に新しいモラル、技術の必要性について検討。
3「情報化社会と教育」で、学校における情報モラル教育の現状と課題を紹介している。
(ナカニシヤ出版 2730円)

「知っておきたい情報モラルQ&A」
 情報モラルは、「情報社会で適切な活動を行うための基礎となる思想と態度」であり、「インターネットを利用するだれもが、情報モラルを身につけることで、豊かな情報化社会を作っていくことができる」大切なものである。
 本書は、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会のホームページに寄せられた質問の中から、特に頻度の高いテーマを選び、86のQ&Aを収録したもの。

 Q「雑誌の記事やテレビ番組の内容をホームページに掲載したい」?。A「雑誌で署名のある記事は、執筆者の生存期間と死後50年間、無署名で雑誌社の記者が書いた法人著作は、原則として公表後・・年間、その出版社に著作権が帰属する」「無断で利用すれば著作権侵害になる」。
 Q「インターネットを利用して修学旅行の資料を作りたい」?。A授業過程での作成であればOKで、その資料を修学旅行先に持参しても問題はない。
 (岩波アクティブ新書 735円 久保田裕・佐藤英雄著)


「情報モラル指導事例集」ほか
「インターネット活用のための情報モラル指導事例集」
 文部科学省の委託事業として、財団法人コンピュータ教育開発センターが、「インターネット活用ガイドブック モラル・セキュリティ編」の続編として2000年に作成したガイドブック。
 第1章で情報モラルについての基本的な考え方、第2章で子どもが陥りやすい状況に対する指導・対応例、第3章で授業での指導展開例を提示。
 例えば、第2章ではインターネットで無計画な購入をするA君の事例を挙げ、「保護者のカードを無断で使うことがないよう、家庭との連携を図る」などケースごとに対応例を示す。第3章で詳細な指導案を示し展開例を解説している。
http://www.cec.or.jp/books/H12/pdf/b01.pdfからPDFで提供。

「インターネット活用ガイドブック,モラル・セキュリティ編」
 「情報化の影の部分」、特に情報モラル・セキュリティ問題について、学校や教師はどのような対応・指導が必要なのか、Q&A形式でイラストを取り入れて解説。
 例えば、Q「子どもが被害者や加害者にならないためには」では、「インターネットを特別視しない」「子どもが自ら判断する力をつける」などと解く。
 1999年、財団法人コンピュータ教育開発センター。
http://www.cec.or.jp/books/guidebook.pdfからPDFで提供