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 TOP教育マルチメディア 北欧フィンランド教育レポート 
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フィンランドの教育を視察
フィンランドの教育制度
教科書、副教材、給食、交通費も無償
 

学校種

生徒数(人)

高等教育

        <博士課程>

* 1,422

大学院<修士課程>

* 12,920

大学学部

151,824

高等職業専門学校
        <修士課程>

 1,050

高等職業専門学校

131,250

後期中等教育

職業専門学校・職業学校

192,340

上級中等学校(高等学校)

118,530

前期中等教育

基礎教育後期課程(中学校)

200,384
* (2,385)

初等教育

基礎教育前期課程(小学校)

372,128

就学前教育

就学前学級

57,986

フィンランドでは初等教育から高等教育まで教育は原則無償で、大学生も家賃や生活費が提供される。基礎教育の年間授業日数は190日で、学年は8月中旬にはじまり6月初旬に終わる。就学率は基礎教育段階では全員が、就学前教育もほぼ同数の生徒が受けている。

  基礎教育
  基礎教育は7歳から16歳までの9年間。基礎教育に先立つ1年間、就学前学級が設けられ、また基礎教育を完了した生徒が自発的にもう1年間、勉強を続けられる「10年生」の制度が設けられている。
 カリキュラムは国家教育委員会がコアカリキュラムを作り、学年ごとに1週間あたりの最少授業時数を規定。学年・科目の具体的な授業時数は、各自治体や学校が定めている(1−2年19時間、3−4年23時間、5−6年24時間、7−9年30時間)。基礎教育での科目は、母国語・文学、外国語(A言語)、外国語(B言語)、数学、環境、生物・地理、物理・化学、健康教育、宗教/倫理、歴史・社会、音楽、芸術、技術、体育、家庭科、カウンセリング、選択科目の17科目。
  実際の9年間の授業時数は母国語の授業時数が最も多く、外国語、数学、理科系科目がほぼ同じぐらいの時数になっているようだ。小学校でも英語が3年生から行われている。
上表は、フィンランド教育省の統計より。(注)*(1)基礎教育課程の( )内の数字は10年次生の数。*(2)大学の修士課程、博士課程の人数は、2005年度の修士号、博士号の取得者。


 

後期中等教育
  基礎教育修了後生徒は、上級中等学校か職業専門学校、職業学校、基礎教育10年生などに進む。入学試験はなく、中学校での成績評定に基づき、進学する。 上級中等学校は普通教育を行うところで、卒業に必要な単位数は最低75単位(1単位38授業時間)、必修科目は最低44科目。

  大学入学資格試験は春と秋の2回行われ、受験料は学生自身が払う。統一試験は、@母国語(フィンランド語/スウェーデン語)、A第二国語(スウェーデン語/フィンランド語)、B外国語、C数学/一般科目、の4科目が必修。統一試験はフィンランド教育省から任命された入学試験機関が運営、採点する。
 
  高等教育
  大学とポリテクニク(高等職業専門学校)があり、20の大学はすべて国立。総合大学10校、専門大学10校(経済・経営学3校、技術3校、芸術4校)である。

  ポリテクニクは1991年に職業教育の質を高めるために設置されたもの。現在29校あり、そのうち18校は地方自治体や自治体連合、私的機関により運営されている。91年以来、ポリテクニクの学校数、入学者数とも増加し、大学修士号と同等資格の科学技術マスターがあり、その資格を得るには3年の実務経験を要する。

【2007年2月3日号】


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