アカウントが1契約でも、生徒全員が
インターネットメールを出せる

-「PROXY-MAIL」 -

ブレーン社 パッケージ開発部
栗山和也課長に聞く

ダイアルアップで1回線による接続という環境でも、複数のマシンからインターネットに同時接続できるソフト「PROXY97」で好評を得ているブレーン社が、今度は1メールアカウント契約の学校でも、クラスや学年の生徒全員に電子メールのアドレスを発行できるソフト「PROXY-MAIL」を発売した。
PROXY97やダイアルアップルータの普及で、低コストでの同時接続が可能になったが、アカウントはプロバイダとの契約数しか発行できず、教育推進上の阻害要因ともなっていた。

「多くの学校は、メールアドレスが数アカウントしかないが、学校にあるどのマシンからも生徒に使わせてあげたいという要望があります。しかし、予算上の問題でメールアカウントを増やすわけにはいかない。なんとかならないか。そんな要望が企業も含めて多かった。それに応えたのが今回の「PROXY-MAIL」です」
−−まさに、学校の先生が要望していることですね。こういうソフトは他にもあるのでしょうか。
「「PROXY97」の生い立ちは、95年ぐらいに我が社もインターネットを導入したいと思った時に、サーバーや専用線の月額コストの見積もりをしてみると、コストが非常にかかる。もっと安いダイアルアップの回線でできないか、と自社用にまず、開発したのがきっかけです。」
「当時、我々もこうしたソフトがあるはずだと探したみた。ないからうちの技術者が作ったわけです。ところが、地球の裏側のニュージーランドは回線コストが高いようで、WinGateというソフトを同時期にお互いリリースしました。」
「「PROXY97」をサポートしている時も、メール関係の要望が多く、同じく地球も裏側でも、イントラネットのメールサーバーと連携させたものを、別に申し合わせたわけではないが発売していた。
ですから今のところ、世界で2つですね。」
ーーこの仕組みは
「2つの方式を採用していますがニックネーム方式では、このソフトを経由することでメールのヘッダー情報に変更を加え、メールアカウントのグローバルドメインをプライベートドメインに振り分けます。
例えば、学校のアカウントが
nishisyo@school.or.jp
とすると、西小学校の太郎さん、有紀さん、次郎さんの外部に対するアカウントは、それぞれ
taro<nishisho@school.or.jp>
yuki<nishisho@school.or.jp>
ziro<nishisho@school.or.jp>
となって、外に出て行きます。」
ーーアカウント数の制限はないのですか。
「児童・生徒数が500人であれ600人であれ、このソフト1つ、ダイアルアップ回線1つで全員のメールの送受信ができます。入力は999件(人)まで可能です。
また、ダイアルアップ接続だけでなく、OCNエコノミーによる専用線接続にも対応しています。」
−−7月30日に発売されてから、学校ではもう使われているのでしょうか
「何校かから申込みが来ています(8月20日現在)。発売後ちょうど夏期休暇が間に入る時期ですが、既に全体で250本ぐらい売れています。「PROXY97」自体は、97年の3月から大体1年半弱で1万7000本ぐらい出ています。そのうち、5%以上は学校に入っています」
ーーメールソフトはなんでもよいのですか。
「はい。標準的なインターネット技術で作っていますので。ブラウザもそうです」
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サーバーOSは、WindowsNT4・0、Windows98/95対応。Windows95の場合は、Internet Explorer4・0以上が導入されていることが必要。
サーバーにこのPROXY-MAILをインストールする。クライアント機には、一般的な電子メールソフト、ブラウザがインストールされていればよい。それを利用して電子メールの送受信やホームページの閲覧を行う。学校内メーリングリストや掲示板システムも構築できる。
価格は、サーバーライセンスで8万9800円。無制限のクライアントユーザーライセンスを含む。

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(教育家庭新聞98年10月3日号)