教育課程審議会、中間まとめが公表される

小、中学校で年間70単位時間削減

 

教育課程審議会の「中間まとめ」が11月17日、公表された。

小学校、中学校では年間70単位時間を削減するなど、2003年度からの学校週5日制の完全実施と関連して大幅に単位を削減したのが大きな特長。また、教科では小学校3年から「総合的な学習の時間」を設置し週2単位時間、教科横断的な学習を行い、英語も同時間で学ぶと明記した。

情報教育関連では、小学校では総合的な学習の時間や各教科で、中学校では情報基礎を原稿の選択から必修に、高校普通科では教科「情報」を新設、さらに高校専門学科では「情報」や「福祉」の新設を検討する、と報告された。

以下、文部省の中間まとめから、抜粋。

 

教育課程審議会中間まとめの骨子

教育課程の基準の改善のねらい

@豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること

A自ら学び、自ら考える力を育成すること

Bゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること

C各学校が創意工夫を生かし特色ある教育を展開すること

主な改善点

@年間授業時数は完全学校週5日制が実施されることに伴う土曜日分を縮減した時数とし、現行より週当たり2単位時間削減。高等学校の卒業に必要な修得単位数については、現行の80単位を74〜76単位程度に縮減する。

A各学校が一層創意工夫を生かして時間割を編成することができるようにするなど教育課程の基準を大綱化・弾力化する。

B幼稚園では、遊びを中心とした楽しい生活の中で、豊かな体験を得させるとともに、幼児期にふさわしい道徳性の指導を充実する。

C小学校では、教育内容を読・書・算など日常生活に必要な基礎・基本に厳選し、これらについては繰り返し学習させ習熟させる。

D中学校では、小学校教育の基礎の上に社会生活に必要な基礎的・基本的な内容を確実に修得させるとともに、選択学習の幅を拡大し、個性を伸長させる。

E高等学校では、共通に学ぶ必修科目の合計単位数を必要最低限とし、各学校・生徒の選択を広げて、一人一人の個性を一層伸ばし自立を図る。

F盲学校、聾学校及び養護学校では、障害のある幼児児童生徒の可能性を最大限に伸ばし社会参加・自立を実現するため、障害の状態の改善・克服を図る指導を一層充実する。また、高等部訪問教育の位置づけの明確化や小・中学校などとの交流教育の一層の推進を図る。

G国際理解・外国語会話、情報、環境、福祉などの横断的・総合的な学習を各学校が創意工夫を生かして実施するため、「総合的な学習の時間」(仮称)を創設する。その際、自然体験やボランティア活動、ものづくりなど体験的な学習、問題解決的な学習を重視する。

H中学校において、外国語(英語)を必修とし、話す聞く教育に重点を置く。小学校でも「総合的な学習の時間」などにおいて、英会話などを実施することとする。

I中学校技術家庭科において、「情報基礎」を必修とし、高等学校において教科「情報」を新設する。

J道徳教育については、ボランティア体験や自然体験などの体験的な学習を重視し、社会生活上のルールや基本的モラルなどの倫理観を培う。

 

教育課程審議会の中間まとめ全文は、文部省の審議会情報に