小学校高学年から課題選択を

教育課程審議会が答申

高校に専門教科「情報」「福祉」


 教育課程審議会(三浦朱門会長)の答申「教育課程の基準の改善について」が7月29日、町村文相に提出された。内容は、6月に公表された「審議のまとめ」とほぼ同じ。
 主な内容は、▽完全学校5日制の実施に伴い、年間授業時数を年間70単位時間(週当たり2時間)縮減する▽高校の卒業に必要な修得総単位数を80単位から74単位に縮減する▽「総合的な学習の時間」を小学校3年以上の各校種・学年で実施する▽小学校高学年から課題選択などの選択的要素を取り入れ、中学校の選択教科の上限時数を年間70単位時間に拡大する▽中学・高校で外国語を必修とする。
 また、情報については、小〜高まで各校種各教科でコンピュータの積極活用を明確に位置づけるとともに、小学校では「総合的な学習の時間」で、中学校では技術・家庭科でコンピュータの基礎的内容を必修にし、発展的な内容は生徒の興味・関心に応じて選択履修できるようにする。高校は、教科「情報」を新設し必修とし「A」「B」「C」の3科目から選択させる。特殊教育諸学校では、盲学校でコンピュータ等の情報手段の活用について明記し、知的障害者を教育する養護学校の高等部に、選択教科として「情報」を設ける。
 さらに、理産審の答申を受け、高校の専門教科として、「情報」「福祉」を新設した。
 また答申は、基準の改善の関連事項として、指導方法に関連し、個に応じた指導の工夫改善を進める方策として、ティーム・ティーチングの推進▽特別非常勤講師の積極活用▽保護者や地域の人々の協力▽小学校における専科指導や交換授業の推進▽外国語教育におけるネイティブスピーカーの指導の拡充、を言及。
 入学者選抜では、知識の量ではなく、「生きる力」を身につけているかどうかを基本にすえること、私立学校でも完全学校週5日制を実施すること、などを要請した。また、教科の在り方などを不断に見直していくため、教育課程審議会の常設化も提言した。
 文部省は新学習指導要領を、幼稚園、小学校、中学校については年内に、高校、特殊教育諸学校は年度内に告示する。それに基づく新教育課程は幼稚園は2000年、小中学校は2002年から、高校は2003年から実施される。
(教育家庭新聞98年9月5日号から)