GISで読図を効率化
私立松山東雲高等学校 國原幸一朗先生


「坊ちゃん」、「道後温泉」で有名な愛媛県松山市。私立松山東雲高等学校では、選択地理B(5単位)の地域調査(身近な地域を調べる)、地理情報と地図(新しい地図の世界)において、日本地図センターのGISソフトSchoolGISを活用した授業3時間を展開した。
 授業に臨んだのは、同校の英語科3年生1クラス。「国際・情報」という授業が組まれているため、普通化と比べパソコンをよく活用していることから、同ソフトの実証実験に参加したという。
 「白地図と比べ、デジタル地図を利用することで読図作業が短時間で効率的に行えるようになるのでは」と國原幸一朗先生は見解を示す。地図データには授業時、現在の松山市と84年前の松山市のデータを利用。身近な地域への関心を高めるとともに、地図を通して地域の変容が理解できることを目的とした。
 まず1時間目には、地図の縮小・拡大、スクロール、重ね合わせ、計測などソフトの操作方法を学習。2時間目には居住地より調査地域を分担し、土地利用図を作成した。84年前の市内の様子については、愛媛県誌を片手に状況把握。國原先生は、身近な地域への関心が高まるよう適宜説明を加え、関連ホームページや関連図書での調べ学習も取り入れた。
 土地利用を示すアイコンを地図に重ね合わせると生徒は、「国の重要文化財があるところは、ほとんど手が加えられていない」、「市街地を見ると、道路が曲がりくねっている」、「昔、鉄道が敷かれていた場所が道路に変わっていた」と、土地利用の変化を目の当たりにした。
 國原先生は「地理の授業における・マンネリ・を払拭するためにデジタル地図はひとつの糸口となるでしょう。多くの先生に認知して欲しいですね」とGISの教育利用における効果を示した。