【指導者用デジタル教科書】富山大学人間発達科学部

  「教育方法と技術」は、小学校から高等学校まですべての教員免許取得希望者の必修科目(半期・2単位)だ。同学の高橋純准教授は本科目において、デジタル教科書を始めとするICT機器活用に取り組んでいる。

  時間は4〜5コマ程度。授業を構築するための教科書の読み取り方や資料・図表の取り扱い、児童生徒への発問の方法などを学ぶ内容で、デジタル教科書やプロジェクター等提示機器、書画カメラなどの活用もその1つだ。

  ICT機器の授業活用は、模擬授業から始める。模擬授業で使うデジタル教科書は小学校社会科が多い。社会科は「資料」の読み取りが重要なため、写真や図の拡大提示による効果は大きく、学生自身がデジタル教科書等のメリットを実感しやすいと言う。

  模擬授業は、良い発問、悪い発問などを示すなどで、ICTさえ使えばなんとかなる、というイメージを持たせないよう、基本的な授業をより高めるツールであることが実感できるように構成する。

  「デジタル教科書や書画カメラの最も有効ですぐに活用できる方法は、絵や図表などを拡大すること。良い発問をして拡大提示すると、学生から、おー、という声が上がる。その声は、授業をしたときの児童生徒の声につながる。同時に、良くない発問をして拡大提示すると、そのインパクトが減ることも体験させている。わかりやすい授業のためには、どこを拡大して何を考えさせるのかについてはっきりさせておく必要がある。それにはまず教科書の内容をきちんと読み取り、何をどう指導すべきかを明確にしておくことが重要。その点がクリアになれば、デジタルのメリットを積極的に授業に活かすことができる」と話す。

 

 

【2012年6月4日号】

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