佐賀県で進む情報化

 佐賀県内でICT環境整備が進んでいる。県内20市町村中、何らかの電子黒板(プロジェクター型、シート型、後付け型含)は全ての学校に配備され、デジタル教科書の整備も進みつつある。全教室に電子黒板を配備または計画している市町村も増え、学習者用端末については、佐賀市や武雄市で実証研究が進み、小城市でも計画中だ。佐賀県では先進的ICT利活用教育推進協議会を設置しており、これまでの実証研究の成果として、協働教育(学習)の事例が全体的に増えていること、また、教員のICT活用指導力が確実に高まっていることなどが報告されている。

電子黒板は全教室整備が増  デジタル教科書や学習端末も

 小城市(8小学校113学級、4中学校52学級)は今年度中に電子黒板72台、25年に144台を整備予定で、全教室に電子黒板が配備される。デジタル教科書も今年度中に導入予定だ。

  唐津市(33小学校329学級、22中学校147学級)は、今年度中に電子黒板73台を整備、26年度の3年間で全小中学校に整備予定だ。デジタル教科書も26年度までに全小中学校・全学年に整備予定。

  佐賀市(36小学校516学級、18中学校208学級)では、現在小学校に電子黒板110台、中学校に13台を整備済で、今年度中はさらに28台(テレビタイプ18台、プロジェクタータイプ10台)を整備予定。25年度以降の整備計画については今年度中に策定予定。デジタル教科書は、小学校では国語、算数、理科、社会、家庭、中学校では、国語、数学、理科、社会、英語、音楽、技術、家庭を整備済。なお学習者用端末は小学校に856台整備済。

  大町町(1小学校14学級、1中学校7学級)では、平成24年度中に全普通教室に電子黒板等を整備予定。

  有田町(4小学校53学級・2中学校20学級)では、既に電子黒板を小学校62台、中学校23台に整備済。既設の薄型テレビは今年度中に後付けで電子黒板化する予定。なおデジタル教科書は、小学校は国語、算数、理科、社会、中学校は国語、数学、理科、社会、英語、技術、家庭を整備済。

  多久市(7小学校61学級、3中学校26学級)は電子黒板を小学校62台、中学校25台に整備済で、全教室整備がほぼ完了している。デジタル教科書を配備しているのは中学校のみで、英語、数学、理科、技術。

  このほか、学級数の5割以上に電子黒板を配備済または予定しているのは、武雄市、吉野ヶ里町、玄海町、白石町、太良町など。

  武雄市は11小学校128学級中電子黒板60台配備予定、5中学校49学級中電子黒板は24台を配備予定。なお学習者用端末としてiPadを小学校に238台配備済。デジタル教科書は小学校に国語、算数を配備、今年度中に全中学校全学年に国語、数学、理科、英語を配備予定。

  吉野ヶ里町は普通学級54学級に対して33台(プラズマ型、簡易型、ボード型)を整備済。デジタル教科書は、全中学校全学年に国語、数学、理科、社会、音楽を配備予定。英語は配備済。小学校では、国語、算数、理科を配備済。

  玄海町(2小学校17学級、2中学校9学級)では平成25年度までに計30台程度の電子黒板を整備予定。小学校デジタル教科書は国語、算数、理科、社会を、中学校は国語、数学、理科、社会、英語を整備済。なお平成27年度の新設校では学習者用端末の整備を検討。

  白石町(8小学校64学級、3中学校30学級)はデジタルテレビを全学級に配備済で、後付けで電子黒板化した。小学校デジタル教科書は国語、算数を整備済。中学校は今年度中に全中学校全学年に国語、英語を整備。

  太良町(2小学校26学級、2中学校14学級)は、小学校は電子黒板14台だが中学校では20台と全教室配備済。小学校デジタル教科書は国語と算数全学年分、中学校は国語、数学、英語、理科、技術、家庭、社会、社会科地図を配備予定。
なお鹿島市、神埼市の電子黒板は、3クラスにつき1台の割合での整備率だ。こうした動きを踏まえ、佐賀市教育委員会では、10月をめどにICT利活用教育推進に関するQ&A集を作る考えだ。

70インチの液晶型電子黒板を配備

  今年度佐賀県立高校の実証校には、液晶一体型電子黒板(キャスターによる移動式)を1年生の全教室に配備、それ以外の高校には特別教室に2台、内1台は電子教卓とセットで配備。中学・高等学校では70インチ、特別支援学校(小中学部)では普通教室に55インチを予定しており、10月末から12月にかけて各学校に設置する。ICT支援員については、今年度、県立学校に45名、教育事務所に32名を配備、主な業務を研修補助とし、授業支援などは業務外とする。

教育情報システム稼働スタート

  新しい教育情報システムは、来年度から稼働予定で、学期末の通知表、指導要録の作成ができるようにする。今後、現在各市町に入っているシステムとの融和を図っていく考えで、将来的には高校入試の願書も対応したい考えだ。各市町での本システム利用については、開発費用は不要だが、接続工事費等は必要となる。

【2012年9月3日】

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